20 楽しいジェットコースター
「次はジェットコースターだけど‥‥蕾ちゃん大丈夫?」
凄い顔が真っ青になってるけど‥‥。
でも、何だか少し意外だよね、私の想像でだけど天才の人って、何をやっても平然としていたりというか、感情が左右されない感じだと思ったんだけどね。
まぁ、そういう可愛らしいところが蕾ちゃんの良いところなんだけどね。
「だだだだ大丈夫でござるよ!」
「怖かったら乗らなくてもいいんだよ?」
近くにあるベンチで待っていてくれたらいいと思うし。
「仲間外れは嫌でござる!」
「えー今回の場合、そういうのとは違うと思うけど‥‥」
「まぁまぁ、お姉ちゃん。 こういうのは、乗ってしまえばどうってことないですよ」
まぁ、別に死ぬ訳じゃないもんね‥‥。
「じゃあ、並ぼうか」
そうして、私達は行列の最後尾に並んだ。
◇◆◇◆◇◆
そして、ようやく順番が回ってきた私達。
私はお兄様と。 蕾ちゃんは小乃羽ちゃんと乗ることになった。
‥‥お兄様とジェットコースターに隣同士は何だかカップルみたいで、ジェットコースターは全然大丈夫なのに‥‥ドキドキしますね‥‥。
「あ、動き出したな」
そして、どんどんのぼっていき、一番高いところに到達した。
こういう時、いつもなら景色をみたりするのだが、今は隣にお兄様がいるので、どうしてもそちらの方を見てしまう。
お兄様はワクワクしていて楽しそうだ、その姿もとても格好いい。
「‥‥」
「師匠、結構怖いですね‥‥え、師匠!? 気絶しないでください!!」
え! 蕾ちゃん気絶してるの!?
後ろを向こうとしたと同時に、ジェットコースターが猛スピードで下っていった。
その後も上ったり下りたりと、とてもスリルがあって楽しかった。
◇◆◇◆◇◆
「も、もう無理でござるよ‥‥」
蕾ちゃんがベンチで燃え尽きていた。
やっぱり乗らなかった方がよかったんじゃ‥‥。
「蕾ちゃん、はい飲み物。 でもまさか蕾ちゃんが気絶しちゃうとは思わなかったな‥‥」
「結構怖かったですからね、あれを笑顔で楽しんでいたお姉ちゃんは凄いです」
「そ、そうかな?」
もっと怖いジェットコースターなら他にもありそうだし、まだマシな方なんじゃないかな?
「途中で気づいたら、下っているときでそれも死ぬかと思ったでござる‥‥」
「流石にそれは怖いかな」
気づいたらいきなり速くなった乗り物に乗ってる訳だからね。
私は楽しかったけど、今日はもう速い乗り物には乗らないだろうなぁ。
「一度休憩するか」
「そうですね」
蕾ちゃんの回復のために、お店のなかに入り、少しの間ゆったりして過ごした。




