19 ゆったりしたもの?
「‥‥人多いですね」
遊園地に来たのはいいものの、人の多さにげんなりしてしまう。
まだなにもしていないのに、疲れちゃいそうだね‥‥。
「まぁ、遊園地なんてこんなものだろう。 逆に人がいなかったら、あまり楽しくないっていう結論にいたりそうだから、俺は人気でいてくれた方がありがたいかな」
そういう考え方‥‥お兄様に言われたらそういう風に思えてきました!
「師匠、大丈夫ですか?」
「もう既にお家に帰りたいでござるが‥‥頑張るでござるよ!」
蕾ちゃんも気合いを入れ直したようだ。
でも、蕾ちゃんにあわせて休憩は小まめにいれよう。
「じゃあ、早速入りましょう!」
そうして、私達は遊園地の中へ入っていった。
◇◆◇◆◇◆
「じゃあ、まずは乗りたいものを決めようか。 奈留は何かあるか?」
「私は‥‥絶叫系とかですかね? あ、でもゆったりしたのも好きなのでそっちでも大丈夫です」
基本的には何でも楽しそうだからね、遊園地。
「そうか。 じゃあ、蕾さんと小乃羽さんは?」
「私もゆったりしたものは賛成でござる」
「私は皆でお化け屋敷に行きたいです! 怖いんですけど、癖になるんですよね~あの空気」
みんなバラバラだね‥‥。
まぁ、時間はあるし順番に回っていけるとは思うけど、まずは何に乗るかだよね。
でも、お化け屋敷とかそういう精神的に疲れそうなものは後の方が良さそうだよね。
「絶叫系は後の方がいいんじゃないでしょうか?」
「じゃあ、まずは怖くなくておとなしめのものから乗ろうか」
お兄様がそう言って、私達は一つ目の乗り物に向かった。
◇◆◇◆◇◆
「メリーゴーランドね。 確かに怖くはないね。 おとなしいかと言われたら‥‥どうなんだろう」
確かにぐるぐる回って、楽しい乗り物ではあるけれど、結構速いし‥‥。
でも、ジェットコースターとかそういう風なものに比べたら全然遅いだろうけど。
そして、すぐに乗る順番が回ってきた。
やっぱり多く乗れるから、こういう乗り物は早いね。
「師匠ー! どの馬に乗ります?」
「じゃあ、このソリみたいなやつに乗るでござる。 安定感を求めて!」
蕾ちゃん、それ上下しないやつ!
いやまぁ、蕾ちゃんがそれでいいならいいと思うけどね‥‥。
小乃羽ちゃんは少し不満そうだけど、馬に乗れば楽しそうにしていた。
「奈留、乗らないのか?」
二人を見ている間に兄さんは既にその近くの馬に乗っていた。
「乗ります乗ります!」
そして私は慌ててお兄様の隣の馬に乗った。
その後、お兄様の楽しんでいる横顔や小乃羽ちゃんの笑顔なんかが眺められてとても幸せな時間を過ごしました。




