18 四人で行こう!
そんなこんなで、遊園地当日。
楽しみにし過ぎたのか、今週のことはほとんど覚えていません。
授業は一応頑張ったつもりなのだが、今日という日が終われば、また蕾ちゃんにご教授願うことになるだろう。
あの後、お兄様からチケットを渡され、すぐに蕾ちゃんと小乃羽ちゃんに連絡を取り、了承の返事をもらったので、今日は私、お兄様と蕾ちゃん、そして小乃羽ちゃんが一緒に行くことになっている。
誰も誘わずお兄様と二人きりの遊園地も魅力的ではあったけど、友達と遊園地に行くというのも全然なかっだし、また嘘をつくのは駄目だと思ったので、別に二人きりになれなくて落ち込んでいるというわけではない。
「奈留、準備できたか?」
「はい、ばっちりです。 お待たせしてすみません」
「いや、大丈夫だ。 服も似合ってる」
「‥‥あ、ありがとうございます!! じゃあ早速いきましょうか!」
少し服のことをほめられただけなのに‥‥毎日一緒にいるのにこんなことでも照れてしまう。 そろそろ慣れるべきだと思うのだけど、反射的になってしまうので隠すこともできない。
お兄様に顔を見られないように少し前を早歩きで玄関を出た。
◇◆◇◆◇◆
「こっちでござるよ~」
集合場所には既に蕾ちゃんと小乃羽ちゃんの二人が来ており、こちらに手を振っていた。
思った以上に二人が早く来ていたみたいだね。 今日の集合場所は蕾ちゃんの家ではないのでもしかしたら、小乃羽ちゃんが早めに家に行ったのかもしれないなぁ。
「お待たせ、二人とも。 待たせちゃったかな?」
「そんなことありませんよ、奈留お姉ちゃん! 私達もさっき来たところなんですから」
それならよかった。
「あ、お兄様、紹介しますね。 蕾ちゃんは知ってると思うんですけど、その隣の子は後輩の福林小乃羽ちゃんです」
「は、初めまして!」
小乃羽ちゃんは少し緊張しているのか声が上ずっている。
「初めまして、俺は夕闇陸。 小乃羽さんでいいのかな? 妹がお世話になってます」
「いえいえ! そんなことは!」
小乃羽ちゃんは顔を全力で左右に振っている。
「あはは‥‥。 蕾さんは久しぶりだね。 どう、発明の方は?」
「お久しぶりでござりまする、陸さん。 今のところは順調でござる!」
「そうか、行き詰まってなくてなによりだよ」
こういう話が始まってしまうと、何だか蚊帳の外感があるけど、まぁお兄様も楽しそうだし、私も嬉しい。
「じゃあ、早速遊園地にいきましょうか!」
「そうだな。 行こうか」
そうして、私達四人は遊園地に向かった。




