15 知らないこと?
「ギャー! アイちゃん、やめてくださいー! 見えちゃう! 見えちゃうからー!」
何だか声だけ聞いていると、アイちゃんが何だかダメなことをしてそうだが、本当はアイちゃんが小乃羽ちゃんを襲っているだけだ‥‥ん? 何だかそれもいけないことのような‥‥。
まぁ、ただ透明装置を外そうとしているだけだ。
というか、小乃羽ちゃん何でそんなに見えるの嫌がってるの!?
『早く透明化を解除しなさい!』
「もうわかったよー。 せっかく楽しかったのに‥‥」
そうして、小乃羽ちゃんは透明化を解除するが、いつの間にか移動していたのか、私たちの隣に現れて、私はかなり驚く。
「ビックリした‥‥音も声以外全然聞こえないね。 というか、蕾ちゃんは全然驚いてないね」
「まぁ何となく場所はわかってるでござるから。 それよりまた今度アイちゃんにも見えるようにしておかないといけないでござるな。 見えないのはやはり何かと不便でござるから」
『よろしくお願いします、マスター』
万が一にも悪用されたらいけないもんね‥‥ないだろうけど。
「じゃあ、私そろそろ帰ろうかな」
「え、奈留ちゃん帰るでござるか~。 よし! 奈留ちゃん泊まろう!」
「あはは、いきなりは無理だよ。 また今度ね」
泊まるってなると色々と準備が必要だからね。
流石に急にはね‥‥。
「むむむ‥‥仕方ないでござる」
これは今度一緒にお風呂入ろうとか言われそうだな‥‥。
蕾ちゃん凄く触ってくるからなぁ、楽しいんだけど。
「師匠! 私も今日はこれで帰ります! お姉ちゃんと帰りたいので!」
「了解でござる。 ‥‥私も一緒に帰りたい」
流石に蕾ちゃんは自分の家だからね。
「じゃあ、お姉ちゃん帰ろー!」
「うん、じゃあまたね蕾ちゃん、アイちゃん」
「またでござる~」
『さようなら』
そうして、私と小乃羽ちゃんは二人で帰ることになった。
◇◆◇◆◇◆
「そういえば、小乃羽ちゃんって家こっち方面なの?」
私と同じ方向を歩いているが、無理してついてきているのではないかと不安になって聞いた。
「そうですね。 なのでもう少し奈留お姉ちゃんと一緒にいれますよ♪」
「あはは‥‥。 でも小乃羽ちゃんと二人でいるのって久しぶりだね」
「お姉ちゃんといるときは、師匠と三人でいるときが多いですよね。 だから今日は二人なので色々なことを聞いちゃおうと思いまして‥‥師匠の裏話とか!」
「えー、でもそういうのって小乃羽ちゃんの方が知ってそうな気がするけどなぁ。 う~ん‥‥」
「例えば、あのござる! って語尾になった理由とか?」
あー、そういえば、私知らないなぁ。
私と友達になったときには既にあの語尾だったし。
「理由はわからないかな。 時期的には小学生の頃らしいけど」
「お姉ちゃんでもわからないとなると師匠に直接聞くしかなさそうですね」
意外と蕾ちゃんの知らないこと多そうだなぁ。




