14 教えてもらうと
「そういえば、奈留ちゃん。 勉強の方は調子どうでござるか?」
「う~ん、最近は二十位くらいをうろついてるかな? 蕾ちゃんが教えてくれてるお陰で、ゆったりと点数の方は上がってるけどね」
小学生の頃からだが、私は蕾ちゃんにたまに勉強会を開いてもらっている。
二十位くらいなら全然大丈夫じゃないかと普通ならそう思うが、それは勉強会を開いてもらっているからだ。
元々の私はそれほど頭が良いというわけでもなく、まぁ特別悪いというわけでもなかったので、中途半端な成績だった。
それで、頭の良いお兄様に嫉妬して、あまり良い兄妹関係ではなかったことはともかくとして、流石にこのままではいけないと思った私は順位一位でもあり、天才の蕾ちゃんに勉強を教わるということになったのだ。
まぁ、お兄様も頭が良いので兄に教わればいいじゃないかといわれればそうなのだが、それはなんだか恥ずかしいのと、お兄様が目の前にいたらたぶん集中出来ないだろうなと思ったので人生で一度も教えてもらったことがないと思う。
「でも、奈留ちゃん今年中に一桁にはなると思うでござるよ。 頑張ってるし‥‥目標は一位だね!」
「その目標、目の前の人で実現不可能になっているんですが?」
蕾ちゃんの一位は誰にも揺るがされることはないよ。
圧倒的だもん、蕾ちゃんだけ。
『しかし、いずれは夕闇さんも二位くらいになってもらいたいものですね』
「アイちゃん。 それは中々大変そうだね‥‥。 それよりアイちゃん、小乃羽ちゃんは?」
『ふっ、まだかくれんぼという幼稚な遊びをしているようです‥‥マスター全然見つからないので助けてください!』
アイちゃんがめちゃくちゃ弱音吐いてるー!
さすがのアイちゃんも二度目で看破は出来ないみたいだね。
「そうなるとは思っていたでござるけど‥‥。 まぁ、あの透明になる発明品はわざと欠点を作っておいたので、そこを探ればいいのでござる。 えっと‥‥今は寝室のベッドの上で寝転がってるでござるな」
『処刑の始まりだ‥‥!』
そして、アイちゃんは怒りの形相で寝室へ行った。
「小乃羽ちゃん大丈夫かなぁ?」
「問題ないでござろう。 遊びでござるし」
そ、そうなのかなぁ? 処刑とか言ってたけど‥‥。
「そういえば、わざと欠点を作ったって言ってたけど、それって?」
「流石に見つけられないのはダメだと思ってそうしておいたんでござる。 詳細についてはシークレットでござるよ♪」
まぁ、詳細について話されてもたぶん私わからないだろうし。
でも、わざと欠点をつけておくとかあるんだなぁ。
 




