13 明るい弟子
「奈留ちゃんと小乃羽ちゃんの料理、美味しいでござる! モクモク」
「蕾ちゃん、美味しそうに食べるよね~。 見てて嬉しくなっちゃうよ」
こういうところは凄く無邪気なんだよね。
先程までの暗さも無くなったようで、よかったよかった。
「師匠ー! 食べ終わったんでアイちゃんと少し遊びますね!」
小乃羽ちゃんは、そう言うとアイちゃんは黙って頷いて了承する。
何だかんだで仲良いところもあるよね二人とも。
「いいでござるけど、程々にね?」
「よし! アイちゃん、透明になるやつで、かくれんぼするよー!」
小乃羽ちゃんって年齢に見合わず、少し子供っぽいね‥‥と思ったけど、まさかの発明品ありでの遊び!?
『私に見つけさせないつもりですか、貴女は‥‥。 いいでしょう、ボコボコにしてあげます』
そうして、二人はダイニングから出ていった。
蕾ちゃんの家は広いから、案外かくれんぼとか楽しそうだし、小学生の頃ならやっていたかもなぁ。
「蕾ちゃん、発明品使ってだけどいいの?」
「まぁ、小乃羽ちゃんは優秀な弟子でござるから、大丈夫。 あと試用実験も兼ねているので、何か不具合や不便なところがあれば小乃羽ちゃんが教えてくれるようになってるでござる」
「なるほど。 小乃羽ちゃんを信用してるんだね。 ‥‥あれ? 私小乃羽ちゃんがどういう理由で蕾ちゃんの弟子になったか知らないや」
いつの間にか蕾ちゃんの家にいるようになって、いつの間にか馴染んだからね。
蕾ちゃんから弟子でござる、って言って、それだけでその時は終わったような‥‥。
「へ? ‥‥別に特別な理由はなかったでござるよ。 まぁしいて言うなら‥‥拾った?」
「まさかの道端の捨て猫感覚!?」
ペットじゃないんだから!
それと、普通は人間拾わなくないですか!?
「その時何となく、弟子というものに憧れていたということもありまして、言ってみたら現在の感じになったでござる。 超努力家でござるし、色々と吸収してくれるし、楽しいでござる」
「へぇ、じゃあ小乃羽ちゃんも蕾ちゃんみたいになる日も!」
「う、う~ん‥‥」
あ、あれ!? 急な苦笑いに!
そういう開発という点ではあまり教えられてないのかな?
「教えてない‥‥とか?」
「いやいや、そういうことではなくて、小乃羽ちゃんには出来れば私とは別の道を歩んでほしいなぁと。 まぁ弟子に引き込んだ私がいうのも違う気がするでござるが‥‥」
「あー、まぁ小乃羽ちゃんは今は楽しそうだし、別のことをしたかったら言うんじゃないかな?」
「‥‥それもそうでござるな」
そうして、私達は食事を続けた。




