12 慰めよう
「うぅ‥‥何で小乃羽ちゃんとは高いのに奈留ちゃんとは低いの‥‥これなら壊れている方がよかった‥‥」
「ま、まぁ、これくらいが普通なんじゃない‥‥かな? 小乃羽ちゃんが高過ぎるんだよ、うん」
「何でしょう、お二方に嫌がられているようで‥‥凄く複雑!」
いや、別に小乃羽ちゃんとの高い数字が嫌って訳では全然ないんだけどね。
でも、蕾ちゃんとは仲良しだし、同じかそれ以上は期待しちゃってたから、少し残念なだけで‥‥。
「なんかもう‥‥辛い」
「し、師匠がダークな感じに!? 奈留お姉ちゃん! お昼ですしご飯にしませんか!」
「そ、そうだね。 切り替えていこう!」
低かったのは確かだけど、蕾ちゃんへこみすぎじゃない!?
◇◆◇◆◇◆
「あれ? 小乃羽ちゃんって料理出来るんだね」
小乃羽ちゃんと一緒に料理をしていて、慣れた手つきで包丁を握っているところを見て、ふとそう思う。
「いえ、特別得意というわけではないんですが、基本的なことは大丈夫になりましたね。 決まったものを作るときはまだ携帯とかでレシピ調べたりとかしてます」
色々と覚えられて一番楽しいときだね♪
私もそんな時あったなぁ‥‥。
『ちょうど出来るとも出来ないとも言えない感じで小乃羽らしい‥‥』
「私のことどういう風に考えてるの!?」
「つ、作れるんだから、出来るってことでいいと思うけどね!」
「お姉ちゃ~ん! 好き~!」
「小乃羽ちゃん! 包丁持ちながら抱きつくのは危ない! 危ないからー!」
そういうとすぐ放してくれたが、何だか違う意味でドキドキしたよ‥‥。
「大丈夫でござるか、奈留ちゃん」
「あ、蕾ちゃん。 大丈夫だよ。 というか、蕾ちゃんは料理しなかったっけ?」
前はあまり出来なかったと思うけど、独り暮らしだし、そろそろ一品くらいは出来るようになったんじゃ‥‥。
『マスターは基本的にカップ麺を召し上がりますよね』
「私がいるときは師匠のために作るようにしてます。 というか、師匠に作り始めて上手くなり始めたというか‥‥」
「徐々に奈留ちゃんに私生活を暴露されているようで、恥ずかしいでござる!」
別に恥ずかしがることじゃ‥‥結構前に教えてもらっていたと思うし。
料理出来ないのは別に珍しいことでもないし。
「まぁ、蕾ちゃんは発明とかで忙しいもんね、仕方ないよ!」
「師匠の料理は味がなくても美味しいですよ!」
小乃羽ちゃん、それ慰めているのだろうか‥‥。
『マスターが料理をしないことによって、冷蔵庫のクリオネ達は生きていけるんですよ』
いや、普通料理しなくてもクリオネがいるのはおかしいよ?
「なんかもう‥‥辛い‥‥」
あ、また暗く‥‥。
その後、頑張って蕾ちゃんを慰めました。




