2 元気な友達
朝食を食べ終えた後は、私は食器などを片付け始める。
学校へ行く時間までは余裕があるので、そこまで急いで洗ったりはしなくてもいいのだが、ゆっくりしているといつの間にか兄が学校へ行ってしまうので───
「奈留、じゃあ行くよ」
「‥‥え! いつもより早いですよ!?」
まだ、洗い物始めたばかりなのに!
「あぁ、今日は広葉に早めに集合と言われていてな」
「‥‥森田先輩に言われているなら仕方がないですね」
きっと宿題を見せてくれとか、そういったお願いでしょうが、お兄様優しくて断ったりしないんですよね。
最近はもう慣れちゃいましたよ。
「という訳で、奈留。 いってきます」
「いってらっしゃい、お兄様」
出来れば一緒に家を出たかったのだが、仕方ない‥‥。
洗い物の続きをしますか。
◇◆◇◆◇◆
洗い物を終え、私は学校へ行く準備を整え、家を出た。
私は学校へ行く前にいつも寄る場所がある。
別に好きで寄っているわけではないのだが、お願いされているので仕方がなく行っているのが現状だ。
「蕾ちゃん、もう学校へ行く時間だよ」
「ちょ、ちょっと待ってほしいでござるよ! 奈留ちゃん来るの早いでござる‥‥」
「いつもと変わらないよ。 また発明していて起きるのが遅くなったんでしょ」
小学校からの付き合いになるが、こういうところはずっと変わってない。
あと一年も経たずして高校生になるのに大丈夫なのだろうか‥‥。
「別に遅くはなってないでござるよ。 寝てないでござるから」
最近は驚かなくなったが、寝てないことが日常的にあるのが、この蔭道蕾の特徴でもあるのだが‥‥。
そのせいかもしれないが、体もよく壊すし。
入院とかも結構あったらしいので体は元々強くはないのかもだし、少しは体を労ってほしいものだ。
「はぁ、寝ないと倒れちゃうよ。 というか、寝てないなら余計に準備はしておいてよ‥‥」
「あはは、すまぬでござるよ。 時計は基本見ないでござるから」
本当に時間にルーズなんだから‥‥。
「じゃあ、準備も出来たみたいだし行こっか」
「うん、じゃあ行ってくるでござるから、戸締まりとか、諸々よろしく!」
誰もいない方を向き、そんなことをいう蕾ちゃん。
『かしこまりました。 いってらっしゃいませ、マスター』
まぁ、これも初めは凄く驚いたけどね‥‥。
‥‥慣れって怖いね。
まぁ、今はそんなこと気にしてる場合じゃないよね。
「よし、レッツゴー!」
「‥‥寝てないのに元気だね蕾ちゃん」
いや、寝起きはとことんテンション低いから、寝てなくて上がってるだけだろうな‥‥。




