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転生して前世の俺の妹になりました  作者: ニャンネコ大尉
二章 転生妹は‥‥‥‥
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433 ずっと一緒に‥‥

 お礼を言おうと見回すと、しんくんは桜の木の根元で、桜を見上げていた。

 シートを敷いた場所は根元から少しだけ離れているので、ここから話すわけにもいかず、私はしんくんのところまでいった。


しんくん、どうかしたの?」


「いや、もう少し近くで見たくなってね。 ‥‥奈留なるさんは今日楽しんでくれた?」


「うん! もちろんだよ! まさか、こんなに楽しいことがデートの後にあるなんて‥‥なんだかこの前の自分の欲だけの猫カフェが申し訳なくなるくらいで‥‥」


 しんくんは私のことを凄く考えてくれていたのに、私は自分のことって‥‥本当に何をやってるんだ私は‥‥!


奈留なるさんが何か気にしたりしなくても大丈夫だよ。 これは僕がやりたかっただけだから。 それと猫カフェもすっごく楽しかったから」


「あはは‥‥。 でも、もう一度言うけど‥‥ありがとうね。 こんなに色んなことをしてくれて。 こんなに準備してくれているとは思わなかった」


 そこまでしてくれるのはきっと、後にも先にもしんくんしかいないだろうな‥‥。


「聞いちゃった‥‥かな? 少し時間がかかっちゃったけど、今日のことを考えたら、準備だって楽しかった‥‥。 でもなんだか終わってしまうのは少し寂しいな‥‥」


 しんくんが桜を見ながら少しだけ、悲しそうな顔になった。

 しんくんは私を笑顔にしてくれたんだから、私だってしんくんを笑顔にしたい。


「ねぇ、しんくん。 来年もやろうよ。 今度はもっと大きくね♪」


「‥‥そうだね。 来年はもっと色々と出来たらいいなぁ」


 よかった、しんくんの表情がいつもの感じに戻った。


「でも、今度は秘密を少なくしてくれるとありがたいかな? サプライズは素直に楽しかったんだけどね。 置いてきぼり感がすごくて‥‥」


「うん、今度は二人で決めよっか」


「やった!」


 やっぱり嬉しいね!

 こ、これが噂に聞く初めての共同作業というやつなのでは‥‥いや、前から決めたりとかはしてるな‥‥。


「やっぱり奈留なるさんの喜んでいる顔が一番いいね。 本当に奈留なるさんの恋人になれてよかった」


「き、急にどうしたの、しんくん! わ、私もしんくんと同じ気持ちだけど‥‥」


「ただそう思っただけだよ。 じゃあ、皆の方に戻ろっか」


「うん!」




 そうして、皆のところに戻ると、何故か皆で写真を撮る流れになっていて、流されるままにカメラの方を向いた。


「おーい、じゃあ十秒のセルフタイマーにするからなー!」


「というか、兄さん何であんな本格カメラを持ってきてるんですか‥‥」


「何でもメイド服撮影の流れだとかなんとか‥‥。 私もしんくんのためにカメラは必須かもしれない‥‥」


 き、祈実きさねさん‥‥。

 ‥‥って、兄さんカフェでコスプレしたときに撮ってたわけじゃないよね!?

 もしそうならあとで説教しなくては‥‥。


つぼみ押さないでよ。 そんなにしなくても入るでしょ」


「くっついた方が仲良しっぽいじゃないっすか~。 それに少しでもひーくんに近づきたい‥‥」


 広葉こうようつぼみちゃんの間に由南ゆなちゃんいるけど、場所変わってもらえばいいと思うんだけど‥‥っていうのは駄目なんだろうな。

 緊張して近づけないけど近づきたい的な‥‥。


「私も入っていいのか?」


「先生はどっしりと構えていてください。 りくー! まだかー?」


「そろそろ行くぞー!」


 そうして、兄さんが押したのか、走ってポジションにつく。




 こういう瞬間だからかもだけど、十秒が意外と長く感じる‥‥。


 なんだかこういう時だからこそ、隣のしんくんに小さな声で何か言いたくなった。


「ねぇ、しんくん」


「何? 奈留なるさん」





「これからも‥‥ずっと一緒にいようね!」


「うん、ずっと───」


 その時、フラッシュの光とともにシャッター音が響いた。



いつも見ていただいてありがとうございます!


二章完結です!

次回、本編最終話です!

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