432 良い人たち
「奈留って、あんなに先生と喋れてたっけ?」
戻った時、由南ちゃんにそんなことを言われた。
あーそういえば、由南ちゃん達の前ではあまり先生と親しく喋ったりはなかったっけ?
でも、まぁ別に先生と話しても別に問題はないよね。
流石に前世で親友だとは誰も思わないだろうから。
「まぁ、授業の時とか以外はいい先生だし」
「奈留、授業がダメなら先生としたら、おしまいなんじゃないかしら? まぁ卒業した今だから、特にもういいけど」
それを言われちゃうと‥‥。
というか、由南ちゃんの詩唖先生に対する態度が少しやわらかくなったっぽい?
「卒業しちゃったからね‥‥」
「流石に会わないようになるのは寂しかったっすが、会ってみるとガッカリするのが詩唖ちゃんっすよね」
そこまで言いますか、蕾ちゃん!?
一応中身は広葉なんだよ? まぁ、性格は違うかもだけど‥‥。
「あはは‥‥。 あ、由南ちゃん、蕾ちゃん、今日はありがとうね。 桜をこんなに感動して見たのは信くんもだけど、二人のお陰でもあるから」
「あぁ、いいわよ。 お願いされてやっただけだから」
「奈留ちゃんの為に何かしたいと思っていたので、よかったっすよ。 それに、こんな綺麗な桜をひーくんと‥‥いやいや、今回は奈留ちゃんの為‥‥っすよ?」
ま、まぁ蕾ちゃんは広葉いたらそうなっちゃうよね‥‥。
でも、こうやって私のためにしてくれたのは本当に感謝しかないよね。
「でも、こうやって皆で集まって、食べるのはいいわよね。 美味しいし。 ‥‥確かこれって、蓮佳さん達が作ったのよね?」
「‥‥え!? そうなの?」
てっきり兄さん達が持ってきたから、その三人が‥‥いや、兄さんがこのご飯を作れるとは思えないから、二人か‥‥が作ったと思っていたけど‥‥。
まさか、マスターと蓮佳さんが作ってくれていたとは‥‥。
‥‥そういうことならもしかしてだけど、蓮佳さんに呼び出されて、この暗くなる時間まで遊ばせてくれたのはもしかして信くんが何か言っていたからかもしれない。
そんなところまで根回ししていたら、もう私驚きを通り越して、謝りたいんですけれども‥‥。
そこまで、色々してくれているのに私何も知らずに、のうのうと楽しんでたということに。
「言ったら喜んで作ってくれたそうよ。 いい人たちよね。 忙しいはずなのに」
「また、色々とやってもらっちゃったなぁ‥‥。 また何かお礼しないと‥‥」
いや、それを言っちゃうとまた色んなものを着せられそうだな‥‥。
また手伝いとか出来たらいいかな?
‥‥っと、その前にもう一度、信くんにありがとうって言わないとね。




