431 いつからそこに!
「はぁ、まさかこんな、皆でお花見をすることになるとはなぁ」
「嫌だった?」
「ううん、楽しいけど、急展開すぎてついていけてないのかも‥‥」
でも、皆でこうやって何かするもの久しぶりだし、こんな綺麗な桜なんだから皆で見れてよかったとは思うけどね。
「奈留ー。 そっちのペットボトル取ってくれー」
「あ、はい。 兄さん」
兄さんたちも想像以上に楽しんでいるようだし。
「ありがとう。 ‥‥それにしても、こんなところにでかい桜があるとはな」
「信くんが歩き回って探したんだって~凄いよね。 さすが私の弟!」
「陸は途中まではあんまり乗り気じゃなかったんだけどね。 あ、そういえば、奈留ちゃん。 あそこに詩唖先生がいるから食べ物とか持っていってあげてよ」
「え、詩唖先生いるんですか!?」
広葉が指差す方をみると、本当に詩唖先生が‥‥。
一体いつからそこにいたんですか‥‥。
私は食べ物をお皿に少し盛り付け、詩唖先生のもとへ。
「広葉、隅で何してるのさ」
「ここでは先生呼びにしておけ奈留。 バレたら面倒だからな。 それで何をしているかだが、磨北に頼まれてな。 夜に子供だけだと問題かもしれないから、保護者として同伴してくれって言われて今はこうして遠くから見守ってるってわけだ。 まぁ、大人がまざるのも面倒だろうしな」
まぁ、蕾ちゃんとかは凄く言いそうだよね。
広葉がそうしたいならそうするべきなんだろう。
「そうなんだ‥‥。 あ、そういえば、蕾さんはどうしたの?」
「誘ったが来なかったな。 流石に知らない人が多い場所に来ようとは思わないみたいだな」
「忙しいのかな? あ、はい。 先生何も食べてないでしょ?」
「あぁ、ありがとう。 それにしてもまさか奈留がこんなに人に囲まれるようになるとはな」
そりゃ前世は広葉とばかりいましたけど!
しかし、回りに人が多いと違和感もあるんだよね。 一人に慣れすぎたせいか‥‥。
「確かに昔はほとんど一人のようなものだったもんね。 ‥‥まぁ、囲まれてるっていっても、今も自分から何かした覚えもないんだけど」
「いや、本来お前はこうなるやつだよ。 ‥‥ほら、もう輪の中に戻れ。 磨北にはよろしく伝えておいてくれ」
「えー、自分で言えばいいじゃん。 ‥‥まぁ、わかった。 でもまた少ししたら話に戻ってくるからね」
一人でいるのは退屈だろうし、やっぱりここは親友である私が楽しませるべきだろう!
「‥‥はぁ、わかったそれでいいよ」
「じゃあ、後でね」
そうして、私は皆のいる場所へ戻っていった。




