表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/780

41 伝言

 昼休み、由南ちゃんと教室でお昼ご飯を食べていると、クラスの男子に囲まれて話をしている、磨北くんが目に入る。


「転校してきたの昨日なのに、もうあんなに友達がいるなんて磨北くんってすごいなぁ」


 お姉さんもそうだけど、コミュ力高すぎない?

 恐るべし、磨北姉弟。


「奈留だと絶対に無理ね。 ボッチになるのが目に見えてる」


「あはは、そうかもね。 だから由南ちゃんが同じクラスで本当に良かったと思ってるよ」


 私は複数、友達を作るのは向いてなさそうだし。

 百人の友達より、一人の親友だね!

 ‥‥まぁ本当はもう少し友達ほしいけど。


「も、もう! そこはもっと反論するところでしょ‥‥まったく」


 由南ちゃんは顔を赤らめてそっぽを向いた。

 由南ちゃんが照れるなんて珍しい‥‥。


 そのあと少し間が空いて、今朝の学校のことを話してみた。


「そういえば、今日の朝、磨北くんに話しかけてみたんだよ」


「へぇ、奈留が自分からなんて珍しいね。 好きなの?」


「気になったことがあったから聞いただけだよ! でもまた話せたらいいなぁ」


 優しいし、是非とも友達になりないなぁと思っていたりする。


「まぁ頑張って」


「うん」


「あ、そうだ今日の放課後、家によっていかない?」


 由南ちゃんが誘うなんて珍しい。


「え? うん、いいよ。 そういえば、久々に由南ちゃんの家にいくような気がする」


「そうかな? でもまぁよろしくね」


「オッケー」


 何かはわからないが楽しみだなぁ。




 ◆◇◆◇◆◇




 お昼を食べ終わり、暇になったので、由南ちゃんと一緒にブラブラと廊下を歩いていると、いきなり視界が真っ暗になった。


「だーれだ?」


 え?


 突然のことに戸惑いつつも、声で誰かを一生懸命考える。

 声を変えているのか全然わからない!

 声は女性の声だから、女の子で間違いはないけど。


 自分で言ってて悲しくなるが、私は友達が少ない!

 女性の友達となるとさっきまで隣にいた由南ちゃんだけど、瞬間的にそんなことはできないはずだ。


 あ、もしかして。


「小乃羽ちゃん?」


 私に目隠しされていた手が外され、視界が明るくなる。

 私は後ろを振り返った。


「大正解です。 御姉様♪」


 小乃羽ちゃんが笑顔で立っていた。


「驚いたよ、小乃羽ちゃん」


「すみません御姉様。 なんだか久々にこういうことをしてみたくなったんです。 それと御姉様と由南先輩に用事があって、すぐ見つけたのが嬉しくなっちゃって」


 私も久々にされたような気がするよ。

 最後にされたの誰だろう‥‥兄さんかな?


「なんだか私も嬉しくなっちゃうよ。 あ、そういえば用事って?」


「部長からお二人に伝言と、この紙を渡すようにお願いされたんです」


 要するにパシリっと。

 よし今度、藍先輩に出会ったら一言もの申してやる。


「また、部長面倒くさがったのね」


「自分の仕事なんだけどね。 まぁいつもの藍先輩だね」


 あの性格は一生直りそうにないな。


「で、伝言と言うのがですね。 ”明日から修学旅行があるので、その間、部長と副部長の代理を任せた” だそうです」


 内容はわかった。

 直接言わないのも別にもう構わない。

 けど一つだけ文句があるとしたなら‥‥もっと早く言えよ!


「なんでもっと早く言ってくれないのかあの部長は」


 ホントだよ! 修学旅行が迫ってきてるのわかってただろ。

 でももう修学旅行なんだね。


「でもそうかぁ、修学旅行明日なんだね。 私達には関係ないから日にち知らなかったよ。 今年は何処に行くんだっけ?」


「確か沖縄のはずよ。 去年は長崎だったみたいだけど」


「へぇ、私達は何処になるんだろうね」


 前世では長崎だったのけど、今世はどうなるんだっけな。

 妹が行ったところなんて知らないしな。

 でもいいなぁ修学旅行。 私も早く行きたい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ