412 懐かしいものを見つける
現在、私は由南ちゃんの家に来ている。
蕾ちゃんのことを話しておきたいと思ったし、スイーツを食べる約束もしていたからだ。
「なるほどね、あの無味からは想像も出来ないけど、パスタを作って美味しいと言ってもらえたと‥‥。 それで、森田さんはもう倒れた?」
「遅効性の毒じゃないよ!? まだ言ってるのそれ!」
まぁ、確かに特訓していた最中、由南ちゃんは見ていないから蕾ちゃんがどれくらい上手くなったのかはわからないんだろうけど。
「冗談よ。 奈留が言うんだからそうなんでしょうね。 それより奈留、次のお菓子よ」
「ち、ちょっと由南ちゃん!? あまり、わんこそばスタイルで持ってこられても、食べられないから! さすがに多すぎるから!」
「何よ、奈留のために折角大量に作ったのに」
私のためといいつつ、大量に作ったのは、私に食べさせたいからではなく、自分の欲を満たすためだと思うのですが!?
というか、溜まってた分ではなく追加で作っちゃったんですか!
そりゃ、減らないわけだ。 というか、私も甘いものは多く食べられるわけではないからね?
「い、今はちょっと休憩させて! もう結構食べたよね?」
「まだ二十分の一くらい?」
「作りすぎだよ! 流石に食べられる自信がないよ‥‥!」
毎度のことながら、美味しいんだけどね。 本当に空腹の時に一つ二つ食べられたら、最高に幸せなんだろうけど。
「わかったわよ。 じゃあ休憩しましょう」
よかった‥‥これで少し休める。
そうして私は由南ちゃんの部屋で、休息することにした。
◇◆◇◆◇◆
可愛いぬいぐるみに囲まれた由南ちゃんの部屋で、ボーッとしていると、本棚に見覚えのあるものを見つける。
あ、これ小学校の時の卒業アルバムだ!
私も家にあるが、奥にしまっているので、見るのは久しぶりで何だか懐かしい。
卒業アルバムを何となく背表紙見ていた時、丁度由南ちゃんが入ってくる。
「奈留、飲み物‥‥‥‥奈留は私の部屋に来ると、本棚凄く見るわね」
「あ、由南ちゃん、ごめんね! 別に探ってた訳じゃなくて、卒業アルバムが目に入ったから、少し見たいなぁって思って」
「奈留も同じの持ってるでしょ?」
「いや、奥にしまっちゃって。 あまり中身も覚えてない」
「まぁ、こういう卒業アルバムとかって、懐かしむくらいしか、見ることないから、奥にしまうのもわかるわね。 少し見てみましょうか」
そうして、由南ちゃんは卒業アルバムを手に取り、私に見えるようにして置いた。
何だか、表紙を見るだけで少し懐かしいね‥‥。




