表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生して前世の俺の妹になりました  作者: ニャンネコ大尉
二章 転生妹は‥‥‥‥
415/780

410 意外に鋭い!

「お待たせしました、試作品のパスタです」


「パスタか、俺好きなんだよなぁ。 奈留なるちゃんのパスタはそれ以上に格別だけどね」


 嫌いではないだろうとは思っていたが、好きなら丁度いいね。


「あはは‥‥家に来たときも結構召し上がりますもんね」


「俺の食べる分がなくなるからマジでやめてほしい」


 もう慣れちゃったから、特に何も言わないけど、当初は兄さん凄く嫌がってたよね。


「え~うまいものは平等に分け与えられるべきだろ~」


「そんなわけあるか。 奈留なるの飯は俺のものだ」


「はいはい、お二人とも喧嘩せずに食べてくださいよ。 冷めちゃいますよ」


「あぁ、ごめんごめん。 じゃあいただきます」


 ふぅ、ようやく食べてくれた‥‥。

 あとは感想を聞くだけだけど‥‥。 今、つぼみちゃん、裏で聞いてるのかな?


「‥‥う~ん」


 反応があまりよく‥‥ない?

 これはあまりつぼみちゃんにはよくない感想になるかもしれない。


 そうなった場合、私はつぼみちゃんを立ち直らせることが出来るだろうか‥‥いや、ここまで準備したのも私なんだから、絶対にしなければ。


「どうしました?」


「いや‥‥美味しいんだけど‥‥」


 けど?


「何だか料理になれてない感じがするね。 新人さんが作ったとか?」


 うぐっ、バレてる‥‥。

 まさか、広葉こうようにそんなこと言われるなんて思ってなかったので、良い返しが思い付かない。


「そ、そうなんですよ」


「そうなんだ‥‥うん、でも美味しいよ。 味付けも好みだし。 何だか奈留なるちゃんが作ってくれそうな家庭感もあるし」


「あ、あはは‥‥」


 そ、そこも気づきかけてらっしゃるんですか‥‥。

 広葉こうようって鋭いね‥‥。


「うん、これなら毎日食べたいぐらいだよ」



 ガタッ!!



 何か裏で大きな音が聞こえてきたけど、絶対につぼみちゃんだよね? 大丈夫かな?


「でも、お店で出すなら見た目とかそういうのも華やかにした方が良いんじゃないかな。 今のシンプルなのもいいけど」


「そうですね、そう伝えておきます。 ありがとうございます」


 まぁ、お店で出す予定はないんですけどね。

 少し罪悪感もあるが、ひとまず聞きたい言葉も聞けたから、大成功かな?


「お役に立てたならよかったよ。 じゃあ、りく。 帰ってゲームするぞー!」


「食べてすぐじゃねーかよ。 まぁ、いいか。 奈留なる、俺は先に帰るよ」


「はい、ありがとうございました」


 二人を見送ろうと出入口まで向かうと、そこで広葉こうようが私に小声で話しかけてきた。


つぼみちゃんに美味しいものをありがとうって伝えておいてね、奈留なるちゃん」


「え‥‥!?」


 聞き返そうとしたときには広葉こうようはもう兄さんとともに店を出ていた。

 まさか、兄さんがばらしたとも考えたが、兄さんがそんなことするわけないだろう。


 つまりは‥‥‥‥広葉こうようってやっぱり鋭い!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ