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39 いってらっしゃい

 昨日の衝撃から一日が経った。

 寝て時間が経ったことにより、昨日のようなことはなくいつも通りの朝を迎えた。

 兄さんと朝食を食べていると昨日のことを心配された。


「奈留、大丈夫か? 奈留は、ふと悩んでる時があるから兄として俺は心配だ」


 あまり外側には出さないようにしているのだが、身近な人にはバレてしまう。

 まぁ今日は元気だし、特に悩んでない。


「なにもないよ兄さん。 心配かけているなら謝るけど」


「まぁなにもないならいいんだ。 あ、それと今日は早く学校いかないといけなくてな。 すまないが今日は一緒にいけない」


「別に私も早く出るけど?」


 日直とかかな?

 別に少しぐらい早く出たところで片付けも問題はないが‥‥。


「いや、さすがに悪いし、奈留はゆっくりしてくれ」


「兄さんがそういうならわかったよ」


 あまりしつこくてもいけないもんね。


 そして、兄さんは朝食を食べ終え、すぐに学校の準備をした。

 私は兄さんの見送りをしようと、玄関までついていく。


「あはは、悪いな奈留。 見送りなんて」


「別にいいよ、これぐらい」


 何だかいつもは一緒に行っているので、新鮮で逆に楽しいぐらいだ。


「じゃあ、いってきますのキスを」


「するわけないでしょ!」


 一気に見送り面倒になったわ!


 すると、兄さんは、いつものように落ち込むかと思いきや、制服のポケットから一枚の紙を取り出した。


「じゃあ奈留、キスがダメならこれ読んで」


 紙には文章が書いてあって‥‥えっとなになに‥‥。


 ”お兄ちゃん、離れ離れは寂し‥‥。


 ‥‥恥ずかしいわ!


「兄さんなんですかこれ!」


「見送りの時には言ってもらおうと思って」


「こんな恥ずかしいこと言えませんよ!」


 あとなんでこんなの仕込んでるんですか。


「言ってくれないなら、俺はここから動かん!」


「それ、困るの兄さんなんじゃ‥‥」


 用事かあるっていったから見送ってるのに。

 完全に本末転倒じゃないですか。


「別にこれ通りじゃなくてもいいぞ」


「‥‥もう、わかりましたよ」


 なんでこういうときだけ子供っぽいのか‥‥。


「よし、こい!」


「兄さん、大好きです。 今日も一日頑張ってくださいね‥‥もう、これでいいでしょ! 早く行ってください!」


「俺、今日から毎日見送りしてもらうわ」


「早く行けーー!!」


 朝からなんでこんな恥ずかしい思いしないといけないんだ!




 ◆◇◆◇◆◇




 何だか今日は兄さんがいないことにより、すぐに片付けを終わってしまって暇だったので、結局早めに学校に行くことにした。


 学校に行くと人はまだ少なく、由南ちゃんもまだ来ていないようだった。

 私は自分の席でボーッとしていると、転校生の磨北信くんが教室に入ってくるのがわかった。


 よし、今なら人もいないし話しかけてみようかな。

活動報告の所に現時点での登場人物の名前をまとめておきました。

このキャラ誰だ?という時などにお開きください。

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