402 本人(前世)にも聞いてみました
「へぇ、料理についてね‥‥。 確かに下手だったわね。 昔は! ね?」
花さんに、どのようにして作れるようになったか聞くことにしたのだが‥‥。
一応、機嫌をなおしてもらえたはずなんだけど、凄い昔の部分を広葉に向けて強調して行っていらっしゃるけど‥‥。
あと広葉も何か言いたげだが、スッゴく我慢しているようだ。
「蕾さんが一番初めに作れるようになったのって、何なんですか?」
花さんが初めて作れたものはきっと、蕾ちゃんも作れるようになると思うし、ここはなんとしてでも知っておきたい。
「う~ん、強いていうならパスタかな? 結構シンプルなもので、ひーくんに初めて美味しいって言ってもらえたような‥‥。 あ、作るって言っても麺からじゃないわよ?」
「それはわかってますよ。 でもパスタですか‥‥確かに凝ったものじゃなければ、上手くいきそうですね」
蕾ちゃんは別に味以外でダメとかではないから、パスタとかはいいかもしれない。
小学校の時に調理実習でパスタ作ったりとか、ちゃんと初心者でも出来ると思うし‥‥まぁ、調理実習のパスタの具は缶詰めだったけど。
そういえば、兄さんと一緒に料理作ったときもパスタだったな‥‥。
「まぁ、他にも色々と作ったりしてるけど、先生の助けを受けていたりとかもあるから、初めて一人で作った時はそのくらいかな。 何だか初めて美味しいって言ってもらえたことが大きすぎて、他の料理を覚えてないってこともあるかもだけど」
「そうなんですか。 いえ、十分です。 ありがとうございます、教えていただいて」
蕾ちゃんのことをライバル視してると言っていたから、どうなんだろうとは思っていたが、それは発明に関することだけなのかもね。
「別にそれくらい、いいわよ。 ひーくんみたいにバカにしてくるわけじゃないしね」
「別に俺はバカにしてる訳じゃないぞ」
「してたじゃないですか、全く‥‥。 まぁ、正直ひーくんの方が料理うまいですし、最近は作ってもらってばかりなので、これ以上は何も言いませんけど」
お、花さんが広葉を許してあげたっぽい?
よかった‥‥。 あまり好きな人同士の関係が悪くなってほしくないからね。
「悪かったな」
「いいですよ、別に。 じゃあ、また今度新しく挑戦する料理、食べてくださいね?」
それはつまりは無味のやつというわけですね。
いつもの広葉なら、凄く文句いいそうだが、今は言いづらいよね‥‥。
「ぐっ‥‥り、了解」
「よかった‥‥。 それじゃあ、私は作業の続きがあるので、失礼します。 夕闇さん、ゆっくりしていって」
「はい、蕾さん。 ありがとうございました」
そうして、花さんは自分の部屋へと戻っていった。




