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転生して前世の俺の妹になりました  作者: ニャンネコ大尉
二章 転生妹は‥‥‥‥
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396 わからなくて‥‥不安で‥‥

 もう暗くなり、しんくんの家にいるということもあり、その場で今日は帰ることになった。


「また来てね~♪」


奈留なるさん、送っていくよ?」


「ううん、大丈夫。 由南ゆなちゃんもいるから。 しんくんまた今度ね」


「そっか‥‥。 じゃあまた」


 猫カフェとかお菓子作りとか色々したのに、何だかあっという間の一日だったなぁ‥‥。




 ◇◆◇◆◇◆




「どうしたの、奈留なる。 何だか元気ないわね」


「元気がない訳じゃないんだけど‥‥」


「なに?」


「お菓子作りの最後のところ、私はどう言ったらいいかわからなかったけど、祈実きさねさんはしんくんにはっきりと言っていたことがあったよね? 何だか私、付き合って結構経ってるのに、しんくんのことよくわかってないんだなぁって思ってさ」


 しんくんはいつも私のことわかってるのに‥‥。


「つまり、奈留なるは恋人だからしんくんをちゃんと理解できるようになりたいと?」


「そう‥‥」


 さすがに祈実きさねさんほどは無理かもしれないけど、あのときは私も何か言うべきだったんじゃないかと、今更だけどそう思ってしまう。


 ‥‥ん? 由南ゆなちゃんが黙ってる。


「てい!」


「イタッ! 何でチョップ!」


 何で無言でチョップなの!?


奈留なるは上を向きすぎなのよ。 別に分からなくたって、磨北まきたくんは奈留なるを嫌ったりしないし、そんなこと求めないわ。 逆に何でもわかる人が恋人なんて面白味もないし、怖いわよ」


 怖いなんてことはないと思うけど‥‥?


「そ、それでいいのかなぁ‥‥。 でも、高望みしていたのは確かかも‥‥」


 でも、由南ゆなちゃんがこんなに励ましてくれてるからか、何だか気持ちは前向きになってきたような気がする。

 やっぱり、由南ゆなちゃんは凄いなぁ。


奈留なるは不器用で鈍感の方が、奈留なるらしいわよ」


「悪口にしか聞こえないんですが!?」




 ◇◆◇◆◇◆




「はぁ、しんくんの気持ち‥‥。 あ、兄さんご飯出来ましたよ」


「お、今日は魚なんだな。 食べたい気分だったけど、言わなかったのにさすが自慢の妹」


 兄さんの気持ちならわかるんだけどなぁ‥‥。

 ま、自分で、しかも長くいるわけだから当たり前なんだろうけど。


 はっ! 祈実きさねさんがしんくんのことがわかるのはこういう感覚なのかもしれない!

 これをしんくんに‥‥う~ん、やっぱり全然出来る気が‥‥。


 でもまぁ、やっぱり由南ゆなちゃんの言うようにこういう風に理解しない方がいいのかもね。

 理解しすぎると、恋人じゃなくて何だか兄さんとの関係みたいだし。


奈留なる~? どした~?」


「いや、何でもないよ。 うん、食べよっか」


 ちょっとずつ理解していくのも付き合うことの醍醐味なのかもね。

 そう思うと何だか気分が楽になったような気がした。

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