395 勝負の結果で‥‥
そして、信くんと由南ちゃんお菓子作りをやり初めてから、かなりの時間が経った。
特にやることのない私と祈実さんは意味もなくじゃんけんをしたり、その延長であっち向いてホイをやったり、何だかんだで、楽しかったので全然いいのだが、祈実さんの方が少し眠くなってしまったのか現在おやすみ中です。
そして、祈実さんの頭は私の膝上‥‥。
兄さんも猫さんもだけど、最近私の膝が大活躍です。
まぁ、祈実さんの寝ているところなんて中々見れないことだから、ちょっと役得だね。
中身は前世の祈実さんじゃないけれど、好きな人だったわけですからね。
なんとなく顔をのぞきこむ。
うわ~まつげ長いなぁ‥‥。 あと髪がきれい‥‥。
「奈留」
「あ、や! 由南ちゃん! どどどうしたの!?」
祈実さんをじっと見ていたのを見られたと思ったから凄く動揺してしまう。
「出来たわよ」
「こっちも‥‥って、きさねぇ寝てる‥‥。 くっ、奈留さんに膝枕してもらってるし‥‥」
ふぅ、特になにも見られてなさそうだね。
まぁ、出来たってことは祈実さん起こした方がいいよね、楽しみにしていたから。
「祈実さん、起きてください。 出来たそうですよ?」
「ん~‥‥! もう朝?」
「朝じゃなくて、夕方ですよ。 祈実さん寝ぼけているんですね」
「あ、奈留ちゃん‥‥そうか! お菓子出来たんだね!」
状況を理解するとすぐさまキッチンに向かっていった。
「もう、きさねぇは‥‥」
そして、信くんもキッチンの方に行き、何故か由南ちゃんが立ち止まっている。
「奈留、祈実さんの寝ているところにキスしようと‥‥」
「してないからね!?」
勘違いされてたし、更に酷い勘違いでしたね!
何とか勘違いをとき、私たちもキッチンに向かった。
◇◆◇◆◇◆
そして、二人のお菓子を食べた私はこれはどういう風に言ったら良いのかを考えていた。
二人のお菓子は二つとも美味しいし、どちらもずっと食べてられるくらいなんだけど、どちらが美味しいかと聞かれたら‥‥由南ちゃんなのかな?
でも、ここは二人とも美味しかったで終わらせるべきだと私は思う。
「由南ちゃんのやつ美味しいね。 そして、信くん。 いつか作れるように頑張って!」
あ、祈実さんが言っちゃった‥‥。
遠回りだけど、由南ちゃんの方が美味しかったと言っているし、信くんは落ち込んでるんじゃ‥‥。
「あはは、そうだね。 灘実さん、また今度教えてもらえない?」
「レシピくらいは書いておくわよ? 私は自分で食べないから、味はみれないけど」
「ありがとう」
信くんあまり落ち込んでないっぽい?
というか、普通に楽しそうだし、あまり気を使う必要もなかったかな?
何だかそう思うと、私ってあまり信くんのことわかってないんじゃないかって思えてきて‥‥少し不安な気持ちになった。




