392 迷いました、色々と‥‥
猫カフェで猫を愛でていた私たちは、時間制で残り時間があとわずかということもあり、名残惜しくもカフェを出ることになった。
「猫さ~ん‥‥うぅ‥‥」
あんなに懐いてくれた猫さん達と別れるのがこんなに悲しいとは‥‥。
くっ、久々に別れで悲しくて、うるっときたよ‥‥。
「奈留さん、また来ようよ」
「う、うん‥‥」
猫さん達も、つぶらな瞳でこちらを見つめている。
うわぁー! 全然別れたくない! 存分に触ったと思ったのに、今になって未練が~!
「もう少しいる?」
「そ、それは大丈夫! 何だか同じ事を繰り返しそうだから!」
今ここでぐっとこらえないとね。
で、でもあと一撫でだけでもー!
◇◆◇◆◇◆
「か、可愛かった‥‥」
「最後の最後まで触ってたね、奈留さん‥‥。 でも本当に可愛かった」
毎日通いたくなるほどだよ‥‥いや、出来ないけど。
でも一度行ったことで、初回の緊張がないから次回からすんなり行きそうだから‥‥猫カフェ恐るべし!
「また今度行けたらいいね‥‥‥‥あれ?」
あそこに見たことある人が‥‥。
「ん? どうかした‥‥あ、きさねぇ!?」
やっぱり祈実さんか。 でも何してるんだろ‥‥。
「祈実さ~ん! 何してるんですか~!」
大声で呼んでみると、祈実さんが笑顔でこちらに向かってくる。
「‥‥あれ? 奈留ちゃん! それに信くんも! どうしてここに?」
「デートで‥‥というか、きさねぇこそなんで?」
「迷っちゃって‥‥あは♪」
あはって可愛いですね、祈実さん。
「あは、じゃないよ! なんで地元で迷うの!」
「気分転換に知らない道を通ってみようと思ったら方位がわからなくなっちゃって‥‥いつの間にかここに」
祈実さんってたまに抜けてるところがあるよね、本当に。
「じゃあ、一緒に行きましょうか」
「え、いいの奈留ちゃん! ‥‥あ、でもデート中だよね?」
や、やっぱりデートと直球で言われると恥ずかしいですが‥‥。
「はい、でも問題ないよね、信くん」
「はぁ、奈留さんがいいならいいけど‥‥」
迷ったまま放っておくわけにも行かないしね。
でも、本当に信くんと元々は一緒だったとは思えないほど、色んなところが違うね。
まぁ、どちらも大好きなんですけどね。
「でも、きさねぇ。 携帯の地図見たら大体の自分の位置わかったんじゃ‥‥」
「家に置いてきちゃってたから。 まぁ、知らない道は地図を見ないからこそのドキドキワクワクがあると思っているから、持ってても見ないけどね!」
「そこは見てよ! いや、本当にごめんね奈留さん、こんな姉で‥‥」
まぁ、今世の祈実さんらしいけどね。




