391 珍しいこと
猫さんを未だ大量に惹き付けつつも、一旦飲み物を飲み、落ち着くことにした。
何だか来たからにはいっぱい触らなきゃって、いきなり張り切りすぎたから、腕が疲れた‥‥。
まぁ、今も膝上でのんびりしている猫さんの背中を撫でているわけだけど。
「でも、驚いたなぁ」
「え、何が?」
猫が集まってくることにとか?
「奈留さんから誘ってくれたことだよ」
「た、確かにそれほど誘った記憶はないです、はい‥‥。 あ、でも別に信くんとが嫌とかそういうわけじゃないからね!」
「それはわかってるよ。 でも、奈留さんがここに行きたいってはっきりお願いしてくるのは、ほとんどないから、ビックリしちゃった」
確かに、信くんと一緒に決めていて、私が提案することはあったかもだけど、今回みたいに猫カフェ行きたいんだけどいい? みたいに言ったことはなかったような‥‥。
「あはは‥‥信くんから毎回誘ってくれるから、何だか申し訳なくなっちゃって。 それで、ちょっとしたきっかけがあって、猫カフェに誘おうって思ったんだ」
まぁ、きっかけが猫の着ぐるみパジャマっていうのは、さすがに信くんには話せないけど‥‥。
「そうなんだ。 でも僕だってそれほど場所を決めたりしている訳じゃないけどね。 最近は二人で決めるし」
「私は信くんが誘ってくれるイメージがあるんだよね、なんでだろ‥‥‥‥前世からよく誘ってくれてたからかな?」
「あ、確かに一度誘ったことが‥‥‥‥あ!!」
信くんが急に大きな声を出したので、私も回りの猫さんもビクッとなる。
まぁ、膝上にいる子だけは相変わらずのんびりしてるけど‥‥。
「ど、どうかしたの信くん‥‥? 結構大きな声だったから、猫さんが逃げて‥‥ないね。 全然減ってない」
「猫、動じないね‥‥ってそうじゃなくて、ずっと二人で行きたいと思っていた場所を思い出したんだよね」
信くんの行きたい場所? どこだろう‥‥でも今日は私の行きたい場所を一緒に行ってくれたので、信くんの行きたい場所ならどんなところでも返事は、はい、だろう。
「奈留さん、予定とか大丈夫? 忙しかったりしない?」
「問題ないよ。 まぁ、何処に行くかを聞いておきたいんだけど‥‥」
「そうだなぁ、‥‥奈留さんにはまだ内緒にしておくよ。 その方が良いと思うし、実はまだちゃんと決めている訳じゃないから」
そうなのか‥‥でも信くん楽しそうだし、きっと、良いことで楽しみになるのだろうな‥‥。
その後、話も一段落し、私は今度もまた猫達と触れあった。




