390 好かれ体質?
猫のいる部屋に入った私は、沢山の猫がいる光景に感動する。
こんなに近くにいっぱい‥‥。
「いっぱいいるね‥‥」
「うん! 可愛い!」
人になれているから、驚かせたりしない限り、逃げたりしないし‥‥。
お客さんも何人かいて、それぞれ猫を可愛がっている。
空いている席に座ると、店員さんがドリンクと猫の餌を持ってきてくれる。
すると早速猫達が集まってくる‥‥えぇ!?
「何だか、餌をあげる前から凄く集まってくるんだけど!?」
「奈留さん、凄いね! 僕、あまり集まってこないのに」
こんなに集まってくることあるんだね。
ドリンクを置いた机の上にも何匹かの猫が集まってるし、足元にも沢山の猫だし‥‥猫さんの楽園ですかここは!
あと、膝上にも一匹乗って来てるし‥‥うわぁ、サワサワしていて、手触りが気持ちいい‥‥。
「餌あげてみよっか」
「そうだね」
そうして、手の平の上に餌を置き、猫の近くに持っていくと、猫さん達が一斉に手元に集まる。
あはは、何だかくすぐったいね♪
そして、手の平に何もなくなると、猫さん達のつぶらな瞳が私の方を向く。
くっ、これは何度でもあげたくなるね‥‥。
「信くん、何だかこの分だとすぐに餌がなくなりそうだよ‥‥」
「でも、餌によってきてるのかと思ったけど、膝上の猫とか机の上の猫とか、餌に全然食い付いてないのに奈留さんの近くにいるし、奈留さん自身が好かれてるのかな」
「今まで、猫、というか動物に好かれた記憶があまりないけど‥‥いや、ふれ合った機会がないからかも」
でも、好かれることはいいことだよね♪
色んな猫さんを触れられて、最高の気分だよ‥‥。
「僕は大勢ではないけど、この真っ白の子が、ずっといてくれてるよ」
「ほんとだ‥‥。 信くんのことが好きな猫さんなんだね」
信くんの優しい部分に惹かれてるんだね、きっと。
「うん。 ‥‥あれ、奈留さん餌は?」
「あはは‥‥もうなくなっちゃった。 皆勢いが凄くて‥‥」
「僕の分分けようか?」
「あ、ううん。 大丈夫。 猫が集まりすぎて目立ってるし、ない方がいいかも‥‥」
餌がなければ結構離れていくだろうし。
‥‥しかし、もう餌はないんだが、猫さんが一向に去ろうとしない。
信くんの方にまだあるのに、そちらに行かずにだ。
‥‥もしかしてだけど、本当に猫に好かれてるのかも?
なんて考えていると、猫さんが、一、二匹離れていく。
やっぱり餌の力か‥‥。
でも、まだ足元に結構いるんだけど‥‥! だって他のお客さんは餌で繋ぎ止めてるとかだけど、私なにもしてなくて、すり寄って来てるし!
まさか、こんな猫に好かれる体質が自分にあるとは‥‥猫カフェに来て、よかったよ本当に‥‥目立ってるけどね!




