389 いざ、目的地の中へ!
「えっと‥‥この道がこっちで‥‥うん、あの辺りだね」
私は指を差して、一つのビルの指差す。
「あれ? 一階にはないの?」
「そうみたいだね。 えっと‥‥三階だって。 こういう小さなビルって外から見えないから入りづらいけど、一応ここだよ」
イメージするお店と言えば開放的になっていて、前面ガラス張りとかだけど、こういう小さなビルでエレベーターで出るとお店のところとか行きづらいね‥‥。
まぁ、ここが一番近くにあったから選んだけど、もう少し入りやすいところにすればよかった‥‥。
「じゃあ、行こうか」
「うん。 何だか色んな意味でドキドキするよ‥‥」
そうして、私たちはビルの中のエレベーターに乗り込んだ。
◇◆◇◆◇◆
「いらっしゃいませ! 猫カフェ、ニャンクにようこそ! お二人ですか?」
エレベーターが開いた瞬間、とてつもなく元気な店員さん? が出迎えてくれた。
「あ、はいそうです」
「それではメニューについてご説明しますね───」
その後、時間の料金やドリンクを選んだり、注意点なども教えてもらった。
無理に抱っことかそういうのは駄目とか‥‥まぁ、嫌がっているところにはさすがにね。
その後、きちっと手を洗い、ついに準備が終了した。
何だか今から触れると思うとワクワクするね!
猫カフェに行くのに少し憧れがあったからか、何だかキラキラして見えるのは気のせいかな‥‥?
でも、信くんも猫が好きでよかったよ。 もし嫌いだったら今日誘ったり出来なかっただろうし‥‥。
あ、でも由南ちゃん誘ったら、可愛いもの好きだから、いいよって言ってくれたかも‥‥いや、猫カフェに行きたいから信くんと来ているわけじゃなくて、信くんと出掛けたいから猫カフェに来てるんだよ、そこのところ間違えちゃダメだぞ私!
「でも、僕猫好きだけど、触るの初めてだよ」
「え、そうなの? あ、でも私も森田さんから猫を預けられた時が初めてだったから、そんなに触った経験は私もないのかな‥‥?」
あのときの猫ちゃん可愛かったし、また会いたいなぁ‥‥。
広葉にお願いすれば会えるかな?
「奈留さん、将来猫とか飼えたらいいね」
「し、将来ですか!? えっと‥‥そうだね」
一瞬だけ、とんでもない勘違いをしそうだったけど、すんでのところで、耐えた‥‥。
きっと信くんは無意識だろうけど、さすがに違うよね‥‥。
でも、飼えたら毎日可愛がれるもんね‥‥楽しそう!
「あの‥‥入らないんですか?」
「は、入ります!」
後ろから店員さんに言われて、私たちは猫のいる部屋に入った。




