376 友人な二人
そして、花さんが何もない空中で手先を動かすと、次の瞬間光に包まれて、女の子が出てきた。
何だか登場の仕方が凄い‥‥ってそれよりも!
この子が花さんが作ったアイちゃん‥‥。
なんていうか蕾ちゃんが作ったアイちゃんよりは少し年上って感じかな‥‥あ、メイド服は着てないんだね。
『‥‥‥‥誰だ? 私の眠りを妨げるも───「だから、そういうのもういいから」───ちょっ! 最近おざなりすぎません!?』
‥‥‥‥本当にAI?
何だか妙に人間らしいというか、蕾ちゃんが作ったアイちゃんより自我が強いというか‥‥。
というか、本当にアイちゃんなのか?
「あ、あの‥‥あなたが花さんが作った‥‥」
『どうもはじめまして、AIのアイって言います!』
やっぱりアイちゃんみたいだね。
作った人の性格が違うから、AIの性格も違うのかも。
「またの名をバーナー狂いのアイよ!」
ば、バーナー狂い?
『変なこと教えないでください。 それはそうとあなたが磨北さんの彼女さんですね』
「はい、夕闇奈留っていいます。 ‥‥あ、信くんのこと知ってるんでしたね」
『そうですそうです。 いや~彼女さんがこんな方だとは‥‥磨北さん頑張ったんだなぁ‥‥』
最後の方は聞こえなかったけど、こんな方って悪いほうの意味じゃないことを祈ります‥‥。
「まぁ、こんな感じよ。 ごめんなさいね。 あまりAIっぽくないでしょ?」
「いえいえ、楽しいですし。 約束していたとはいえ、見せていただいてありがとうございます」
「ここに来たついでだからいいのよ」
まぁ、それでも私に出会わなければ、すぐに帰っていたでしょうし、花さんも毎日忙しいでしょうから。
『あれ? 蕾、今日は暇だから、夕闇さんとの約束を守るって言って、色々なところを探してここまで来たん───』
「そういう余計なことは言わない方が身のためよ?」
小さい声だったので何言ってたかわからないなかったが、花さん笑っているけど、目は全然笑ってない! というか、凄く冷たい! 怖い!!
『顔怖! ‥‥もう、私はいいけど夕闇さんを驚かせるのは駄目ですよ』
「‥‥あ、ごめんなさい」
「いえいえ、大丈夫ですよ?」
かなり怖かったけど、私にたいしてじゃなかったし‥‥。
というか、アイちゃんは平気なんだね。 あ、AIだからか‥‥さっきまで普通に一人の人間と話してる感じだったよ‥‥。
『でも、蕾もそんなことするんですね。 ‥‥そんなに私を紹介したかったとは!』
「全然全く違うから」
『そんなに否定しなくても、わかってましたけどね!』
な、なんの話をしているかはわからないけど、今の感じを見ていると、二人が本当に仲の良い友達なのがわかる。
こういう関係もなんだか良いなぁ‥‥。