372 睡眠の違い
お風呂の後は、夕食を食べたり、カードゲームをして遊んだり、あとは部屋のスクリーンで映画を見たりして過ごしていた。
でもまさか一言AIに言うだけで、スクリーンを映し出したりできるとは‥‥驚きだったね。 まだこんな能力を隠し持っていたとは。
「いや~中々面白かったっすね。 十段階で五!」
「それ低くない? 六くらいの面白さだと思ったけど」
二人とも低いからね? 面白かったなら八以上でいいじゃん。
ちなみに私は九くらいだと思ったけどね。
「見終わったし、そろそろ寝る?」
「えー、もうそんな時間っすか! じゃあ最後に枕投げを」
「「おやすみなさい」」
「ちょっ! 二人とも無視は酷いっすよ~」
というか、蕾ちゃん、朝弱いし早く寝た方が‥‥。
まぁ、夜型の蕾ちゃんからしたら寝る時間自体が早いのかもね。
◇◆◇◆◇◆
朝、私はいつもの時間に起きると、由南ちゃんと蕾ちゃんの顔が目の前に‥‥え!?
「ぴったりっすね」
「そうね」
ど、どういうことだろうか、なんで二人が‥‥。
「な、何がぴったり?」
「いや、いつも言ってる時間通りに目覚めるもんだなぁと。 前の旅行の時にもだけど、本当に電波時計のように正確よね、奈留の起きる時間って」
「しかも、それ以前の時間では揺すっても全く気付かないので驚いたっす。 熟睡してるんっすね‥‥触り放題っすよ」
何ですか、それ!
いや、まぁ決まった時間に寝てるっていう、体質というか、前世からだからね。
「触り放題って‥‥。 でも二人とも起きるの早いね。 由南ちゃんは早いときもあるけど、蕾ちゃんが起きてるなんて珍しい」
「いや、蕾寝てないみたいよ」
‥‥え? 寝てないの!?
「最近忙しかったみたいだから、ゆっくり寝ていると思ったんだけど」
「何だか楽しくて眠れなくなっちゃったっすよ」
そんな遠足前の子供じゃあるまいし‥‥。
「まぁ、それで暇だからって言って、奈留をじっと見ていたというわけらしいわよ。 私も途中からだから」
「奈留ちゃんの寝顔可愛かったっす」
「あまりそういうのは見ないでほしいのですが!?」
昨日のお風呂とはまた違った感じで恥ずかしいから!
「驚かせちゃって悪かったわね。 でも私もどれくらい起きないのか気になっちゃって」
「申し訳ないっす」
いやまぁ、顔にイタズラとかそういうのは勘弁してほしいけど、触るくらいなら別に‥‥。
‥‥いや、出来ればやめてほしいけどね?
「謝ることはないよ。 それで、これからどうするの? 朝ごはん?」
「まだいいんじゃない? 流石に早いし、あと眠たい」
そりゃまだ早いもんね。
「じゃあもう少しゆっくりしてよっか」
「それなら、枕投げしないっすか!」
いやいや、確かに昨日出来なかったけど、やらないからね!?
というか、寝てないのに元気だね蕾ちゃん!