337 また学校に───
蕾ちゃんが改造した機械類をすべて撤収し終わったようなので、知っている先生に挨拶をして、その後帰ることになった。
携帯には信くんから連絡があり、もう少しかかるそうなので、一度家に帰ってから会おうということになった。
うん、楽しみだね!
「にこにこしてどうしたのよ。 バカになった?」
「私が笑うとバカって言われるのはなんでなのさ!」
そんなに変な顔なのか私の笑顔は!
いや、きっといつもの由南ちゃんの弄りなのだろうが‥‥。
「由南ちゃんの愛情っすよ~」
「蕾、あなたはバカね」
「私には真面目な表情でいうのはやめてほしいっすよ!?」
うん、なんか由南ちゃんの目が凄い冷めていて、演技とはいえ怖かった‥‥いや、もう上手すぎて演技かどうかもわからないし。
「でも蕾、何だか今日凄く嬉しそうね。 何かあった?」
「最近、詩唖ちゃんが私にめっちゃ優しいんで、初めは怖かったんっすけど、今日行ったら、おめでとうって言ってくれて、何だか嬉しかったんっすよ! あの人、先生なんだなって!」
そこ!? 詩唖先生元から先生だからね!
「そういえば、最近変わってたわよね? なにか心境の変化でもあったのかしら?」
まぁ、私は詩唖先生、広葉から聞いているから、不思議だとは思わないが、由南ちゃん達からすればなんでだろうってなるよね。
「きっと、良いことでもあったんじゃないかな?」
「良いことがあったとしても、生徒に嫌味は言うわ、あの人は」
本当に詩唖先生の印象変わらないね、由南ちゃんは‥‥。
「まぁ、優しい詩唖ちゃんも良いんっすけど、違和感は凄いっすよね。 暴言を吐くのが詩唖ちゃんみたいなところがあったのに」
いやいや、たぶんそれは蕾ちゃんがいつも怒られているからだと思うよ?
だらけたりとかはあっても、そこまで暴言は吐かないかなぁ‥‥たぶん。
「蕾は怒られるといったら、あの先生だったものね。 そう思うと、良かったんじゃない?」
「少し寂しい気持ちはあるんっすけどね~。 なので、卒業はしましたけど、また会いたいっすね」
蕾ちゃんに怒れる人ってあまりいなさそうだし、そういう大人の人って蕾ちゃんの人には必要なのかもしれないね。
まぁ、詩唖先生は少し蕾ちゃんの扱いになれているから、なんでも言うもんね。
蕾ちゃんの方も、やっぱり広葉だから、あまり嫌いになれないってことなのかな。
まぁ、どんなに違っていても、同じ人だからね。
「また皆で行きたいね!」
沢山思い出ができた場所だからね。
‥‥うん、やっぱり少し寂しいけど、また来れたらいいな。




