32 いつもの日常
広葉との件が終わり、私はいつも通りの日常にもどり、きちんと授業の話も聞ける精神状態になっていた。
おじいちゃんのように、年を取った男の先生が、教科書を読んでいるのもバッチリ聞いているよ!
しかし、気になることもある。
私の生まれ変わりを知っている人物がいるということ。
それに何故広葉は隠したのか。
まさか、こっちも騙してたからとかじゃないよね?
それだったらもうなにも言えないけど、そんな感じでもなかった。
「夕闇~ちゃんと授業を聞け~」
「え、あっ、すいません」
おじいちゃん先生が、私を呼ぶ声で我に帰った。
すみません、嘘ついてました。 あまり聞けてませんでした。
だって気になるし‥‥。
考え事してると、どうしても耳に音が入らなくなるよね。
断じて寝ているわけではないのだが、考え事していると目を閉じたくなるのもよくある。
もうすぐ中間テストだし、集中しないとね。
◆◇◆◇◆◇
「なにかまだあるみたいだけど、ほとんど吹っ切れたみたいね」
「うん! 心配かけてごめんね」
少しの悩みはあるが、基本的にはいつも通り。
由南ちゃんには心配かけたから、今度なにかお願いされたら、なんでも聞いてあげるね♪
「まぁテスト前に済んでよかったじゃない。 まぁ悩んでいても、成績変わらなそうだけど」
「そんなことないよ。 名前忘れることもあるかも」
まぁジョークだけど。
「すごくありそう‥‥」
「ないよ!?」
肯定されちゃった‥‥私ってそんなイメージですか!
その後すぐにチャイムが鳴り、由南ちゃんは自分の席に戻っていったが、鳴らなかったら、絶対からかわれて‥‥危ない危ない。
◆◇◆◇◆◇
次の授業は、皆に‥‥‥‥特に男子に大人気な、担任の夏雪詩唖先生です。
女子の皆さんは冷たい目‥‥真剣な目で詩唖先生を見ている。
詩唖先生が教卓に立つと一気に空気が変わるね。
‥‥何だろう、いい言葉が全然出てこない。
「今日はテストの範囲を教える」
お、やっぱり中間テストが近いからか、先生みたいなこともするんだね。
いや、先生だけど。
「と言っても、まだテスト作ってないから、この教科書の何処かからでる。 以上、残り自習」
そういって先生は教室から出ていった。
‥‥ダメだ!
相変わらず、先生の仕事まるでしないな!
あとテスト前に自習ってよくあるけど、それは授業の内容終わった時だけだから!
この人、本当になんで先生やってられるんだよ。
コネか何かなのか!
そして、テスト当日、先生のテストは問題が十問しかないという手抜きなテストだった。
十問ってことは一問十点か‥‥中間テストでそれはおかしいから!
そしてそのテストを見て全員が思ったであろうことを言おう。
この十問の問題、教科書に一切載ってねーよ!!
これはまた由南ちゃん校長室に直行だろうな~。