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314 三度目の大声

引き続き、磨北信くん視点です。

『しかし、ここまでして何も証拠が見つからないっていうのは‥‥不思議ですね。 一応、死角にはなっていましたが、つぼみがその場所に置いたというのも確認していますからね』


「物忘レンくんに転移機能なんてないし、パッといきなり消えるなんてあり得ないことだけど‥‥‥‥でも、そうとしか思えなくなってくるわね。 犯人なんていなかったのかも‥‥」


 ここまで、人がいたなんて証拠がないわけですからね。

 いや、もしいたとしても、私とアイちゃんがいたわけですし、そんな誰かが入ってきたらわかると思いますし‥‥。


 というか、もしそうなら少し恐ろしいですね‥‥。


『‥‥あ、そういえば、まだ確認していないカメラの機能がありますけど‥‥見ます?』


 まだ、機能があるのか‥‥どれだけ詰め込まれてるんだろう‥‥。


「あーあのほとんど遊びで取り付けたやつ? えーと‥‥空気が汚染されてないか確認するものだっけ?」


『はい。 ちゃんと給気と排気が出来ているか、尚且つ人間に有害なものが何処にどれくらいあるのかを目で確認できるものですね』


「確か、ひーくんのために取り付けたはずだけど、まぁ必要なかったわよね。 機械で換気してるんだし。 しかも、一定量の二酸化炭素まで見えるようにしちゃったから何が何やらという‥‥」


『まぁ、失敗作とは言いませんけど、不必要でしたよね‥‥まぁ、一度これも確認してみましょうよ。 ちゃんと換気出来ているかの確認もかねて』


 二人の邪魔をするのもなんだし、掃除でもしておこうかなぁ‥‥。


「私は片付けとかしていますね」


『じゃあ、頑張って下さい、そっちの私も』


『くっ、私が本体じゃなければ‥‥』


 別に掃除も悔しがるほど楽しいものではないと思いますよ?

 いや、まぁするのは私ですけども‥‥。


 こうして、私は掃除に取りかかることに‥‥‥‥何だろう、今の私ってお手伝いさんみたいだね。 あ、嫌では全然ないんだけどね。




 ◇◆◇◆◇◆




「『あった──────!!』」


 もうないと思っていた、本日三回目の蔭道かげみちさんの大声は、丁度掃除が終わりかけの頃に聞こえてきた。


 私は真相を確かめるべく、二人がいるリビングに向かった。


「どうしたんですか?」


「見つけたのよ! 人がいたかもしれない証拠を!」


 ‥‥‥‥え!? そんなまさか!


『いやでもまだ確定ではないですよ? も、もしかしたら幽霊とか非科学的な存在が‥‥』


「いるわけないでしょ、バカらしい」


『えー、もしかしたらいるかもしれないじゃないですか!』


 AIであるアイちゃんが幽霊を信じて、蔭道かげみちさんが真っ向から否定してるって、何だか面白いな‥‥。


 それで結局、何が証拠なんだろう。

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