308 難航中だそうです
引き続き、磨北信くん視点です。
でも、名前で悩んでたってことは、またアイちゃんがダサくて駄目って言ったってことなのかな?
「ちなみに、どんな名前になりそうだったんですか?」
「Artificial IntelligenceでAIみたいに頭文字を合わせたらいいんじゃないかって話になって‥‥」
あれ? 全然いいんじゃ‥‥。
「いいじゃないですか、略していて言いやすそうですし‥‥。 アイちゃん、駄目なの?」
『本来なら私だってオッケーするところですよ! でも、今回は、なしです! 蕾のネームセンスが全面に出てます!』
えー、どういうことなんだろう‥‥。
そんな略して、蔭道さんワールドが全開になるわけ‥‥ないよね?
「ちなみにどういう言葉を略しているんですか?」
「え? あぁ、まずパラレルワールドに行けるって機能が追加されているわけだから、それは入れたいって話になって」
えーっと、じゃあ、Pってことかな?
『それはまだ、全然問題ないんですよ』
まぁ、そこで問題があるわけないのだろうけど‥‥。
「まぁ、そのあと元々タイムマシンであったことには変わりないし、タイムマシンって言葉を入れて」
『そうそう、そのあと蕾は、私も追加されるからAIって名前も入れてってなって‥‥』
ん? 別に不思議なことはないような‥‥‥‥あ。
「‥‥なんとなくわかったような気がする」
『お、流石、磨北さん。 じゃあ、早速答え合わせは蕾の口で、どうぞ?』
まぁ、今頭に浮かんでいる、言葉なのかなぁ‥‥と何となく思っているが、出来れば間違えててほしいかなぁ~と私はそう思った。
「えぇ、いいわ。 この名前を聞けば、磨北さんは良いって言ってくれるはずよ」
いや、本当にそうだったらいいなぁと思ってます。
「えっと、名前はね‥‥。 さっき言った、パラレルワールド、タイムマシン、そしてAI。 その三つを合わせて───」
何だろう、もう私の頭にはひとつの単語しか浮かんでこないよ‥‥。
「──── PTA よ!」
『ないわー』
まぁ、アイちゃん、わからないでもないけど、それを言ってしまうと元々あった方がないみたいになるので、程ほどに‥‥。
でもまぁ、いきなりタイムマシンに親近感が出てくるというか‥‥うん、そんな近くに感じる名前だよね‥‥。
「あー確かに別の名前にした方がいいかもね‥‥ややこしくなるし」
『本当ですよ、全く。 毎度毎度よくそんなに合わない名前を付けれますね! しかも、この並びがいいなんておかしいにもほどがあります』
「いい名前だと思ったんだけど‥‥」
名前の発想としてすごく良かったと思うんだけどね。
今回は偶然合わせたものが悪かっただけで‥‥。
その後、名前は一旦保留にして、蔭道さん達は、マシンの完成のために、作業を再開したらしいが‥‥名前を決めるときはまたもめそうだね‥‥。




