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29 突然の

 電車で一時間、無事駅まで帰ってきた私達はまず始めに小乃羽ちゃんを家に送り届けることにした。


「すみません、送ってもらっちゃって」


「全然近いし大丈夫だよ。 それに心配だし、もしものことから小乃羽ちゃんを守らなくちゃね」


「それをいう御姉様が私は心配ですけどね」


 な、何だと!?

 私のどのに心配する要素があるというのだ。

 これでも元男ですよ! 不審者がいたら蹴飛ばしてやりますよ!


「まぁまだ夜が深いわけでもないし、そこまで気にしなくても大丈夫だよ。 まぁ隣のには気を付けろよ」


 笑って言いながら兄さんは広葉の方を向く。


「今日の陸の俺に対する扱いキツくない!? あのとき無神経だったのは謝るからさぁ」


「いや、お化け屋敷のことはもう気にしていない。 それがなくてもお前に対する扱いはこんなもんだ」


「ひどい!」


 本当に仲の良いことがわかるな。

 喧嘩するほど仲が良いとはこういうとこをいうんだろうな。

 仲良くないとこんなに言えないよね。

 あ、前世の一方的な暴力は喧嘩ではないのであしからず。


「じゃあ私はここで大丈夫なので。 御姉様、お兄様、また」


「また、遊ぼうね♪」


「またね、福林さん」


「ね? 俺は? ね、ね?」


「それでは」


 小乃羽ちゃんはこちらにお辞儀をすると背を向け歩いていった。

 それにしても小乃羽ちゃん、広葉の扱い慣れてるなぁ。


「会うのは二回目だけど、何だか親しくはなれたような気がする」


「それ森田さんの扱いでってことじゃないですよね? それで、森田さんはどうするんですか? 帰ります?」


「いや、陸と奈留ちゃんの家に寄ってくよ」


「帰ってください」


 何いつも通り寄ろうとしてるんだよ。


「まぁ今日はすぐ帰るよ」


 そう言うなら寄らずに帰ってほしいものだが‥‥。


「まぁ帰るか」


 そして私達は家まで特に何か話すわけでもなく、歩いた。

 やっぱり疲れているからか、特に会話が弾む訳じゃないしね。




 ◆◇◆◇◆◇




 家についた私達はリビングのソファーに倒れこんだ。


「ぷはぁ~疲れた」


 一日中歩いたらこうなるのも仕方ないよね。

 足の裏が痛い‥‥。


「奈留、俺先に風呂はいってくる」


「え? まだお湯張ってないけど?」


「いいや、今日はシャワーだけにする」


 そういうと兄さんは、風呂場にいった。

 疲れてるときこそ浸かるものだと思うけど‥‥。

 まぁ手早く済ませたいんだろうね。


 そういえば今リビングに私と広葉の二人しかいない。

 なんか室内で二人きりってあまりなかったから、少し緊張する‥‥のか?

 正直、微妙である。

 まぁ普段通り接していいか。


「今日はチケットありがとうございました。 楽しかったです」


「あぁ、喜んでもらえてよかったよ。 また行けたらいいよね」


「そうですね‥‥」


「‥‥」


「‥‥」


 あれ!? 何だか話しづらい!

 何だろういつもと空気が違うというかなんというか‥‥。

 なんかさっきまでの広葉と違うような‥‥。

 兄さんいないとこんなに空気が変わるのか。


 広葉は思い詰めたような顔をしたのち、何かを決意したように、私を真っ直ぐ見てきた。


「奈留ちゃん、聞いて欲しいことがあるんだ!」


「は、はい!?」


 急に大声出したからびっくりしたよ!

 いきなりどうした広葉。


 その後、広葉はあり得ないようなことを私に言った。


「俺、奈留ちゃんのことが‥‥好きです」


「‥‥え?」

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