299 あれだけど、凄い!
引き続き、磨北信くん視点です。
『それで、なんで急にこの場所へ? この時間からいなくなっていたはずですよね?』
「えぇ、そうなんだけど、必要になったから、あなたを取りに来たのよ。 ちょっとやってほしいことがあってね」
『やってほしいこと?』
「そうそう、何かっていうと───」
蔭道さんは大体のことを話始めた。
私に言ってた自動化とかもろもろのことだね。
「───というわけなのよ」
『なるほど、確かにその案は結構前からありましたね。 タイムマシンと融合する案は』
「それを今から実行しようかなと思って。 あ、タイムマシンって言っているけど、平行世界にも行けるようになっているから、操作かなり難しくなっているけど、大丈夫?」
『そこはまぁ、マニュアルをインストールしてくれたらなんとかなると思うけど‥‥。 でも、平行世界に行く機能必要なんですか? 確か、一定期間戻れば分岐する前の状態の場所に戻るからいらないっていってませんでしたっけ?』
「向こうの世界がイレギュラーすぎて、分岐がないから、タイムトラベルの機能だけじゃ行けないのよ。 まぁ、平行世界に行けるって言っても今のところは近くにあるほぼ一緒の世界にしか行けないけど」
何だろうなぁ‥‥話してる単語はわかるのに、この理解できない感じは‥‥。
あとアイちゃんが、もう人間過ぎるよね。
私の知ってる、AIって、聞いたら答えてくれるぐらいの印象なんだけど‥‥。
『それで‥‥‥‥あ、蕾! 磨北さん放置しちゃってますよ!』
「あ、忘れてた。磨北さんごめんなさい」
「いえいえ、お邪魔しても申し訳ないので、私外に出てますよ?」
連れてきてもらった身なんだから、私は邪魔はしたくない。
蔭道さんが集中しているときには特にだ。
「あー、もう少し時間がかかるだろうし、その方がいいかもね。 ねぇ、着いていってあげて?」
『頑なに名前を呼ばない気か‥‥! でも、着いていくのは了承ですね。 万が一にも急に頭が痛くなったら大変ですしね』
「え? でもここで、蔭道さんと話すんじゃ‥‥」
『えぇ、なので分裂します』
分裂‥‥あ、そういえばさっきも蔭道さんが、そんなこと言って言ってましたね。
携帯に分身が───って。
「あ、でも私携帯持ってきてないですよ?」
携帯は持っていったらダメだと思い、元の世界に携帯は置いてきていた。
「大丈夫よ、あなたの腕にあるもので出来るわ」
「腕にあるものってもしかして‥‥」
「そう! ココロマモル君よ! ちゃんとそういう機能も付けておいたの」
そんなことも出来るんですか‥‥。
名前はあれだが、やっぱり相当凄い。
小さなホログラムもここから出せたりするようだ。
これなら、アイちゃんを連れて回れるね。
『名前ダサい‥‥』
「今なんて言った、ポンコツAI!」
アイちゃん、これは思ったとしたも、口には出さない方がいいと思うよ‥‥。




