表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
303/780

298 AIと蔭道さん

引き続き、磨北信くん視点です。

 ホログラムに映し出された、女の子は蔭道かげみちさんの方をじっと見つめたまま喋らない。

 あれ? 蔭道かげみちさんが作っているから、もう少し凄いものを想像していたけど、話しかけないと喋らないとかそういうのなのかな?


 蔭道かげみちさんもAIをじっと見つめてるし‥‥。


 そう思っていると、ホログラムに映るAIが突然口を開いた。


『‥‥‥‥誰だ? 私の眠りを妨げるものは?』


 あ、喋った!


「そういうのいいから。 喋らないからバグってるのかと思ったわよ。 起動してるならすぐ喋りなさいよ」


『ふん! 私を放置し続けた、つぼみのことなんて知りません! もう一生いうこと聞きませんからね!』


 うわぁ、AIが怒ってる‥‥。


「いいわよ、じゃあリセットするから」


『それだけは勘弁してください!』


 何だか‥‥‥‥本当にもう人間だね‥‥。

 受け答えとかもう、違和感全然ないし‥‥というか、声も機械的じゃなく‥‥。


 ‥‥でも、何だか聞いたことがある声だなぁ‥‥。


 というか、蔭道かげみちさん、AIにきついね‥‥。

 人間に見えるから、普通に可哀想になってくるよ。


「それに放置って言っても、あなたの分身はいつも携帯ではしゃいでたけど?」


『世界違うから、記憶も流れてこないですし! それに本体の私は、それじゃあ納得しないんですよ! 本体ごと持っていくことで、初めて私は納得するんです』


「だって本体、マシンに入らなかったし‥‥。 というか、すでにひーくんと二人の空間だったから入る余地っていうか、隙間とかないし」


『恋愛のことでつぼみと広葉の間に入りたいとは一言も言ってないですけど!?』


 本当に普通に会話してるね。

 特にタイムラグとかもないし‥‥‥‥え? 本物の人間が喋ってるってわけじゃないんだよね?


「あ、磨北まきたさん。 悪いわね、置いてきぼりにしちゃって。 こいつが言っていたAIで名前は‥‥‥‥名前‥‥?」


つぼみのネーミングセンスは絶望的なので、私が猛反対したら結局決まらずに‥‥なので、アイでいいですよ?』


「あ、アイちゃん、ですね? 私は磨北まきたしんです。 よろしくお願いします」


『よろしくお願いします、磨北まきたさん!』


 おぉ、AIと人間と変わらない感じで話してるし、表情とかもコロコロ変わるし‥‥何だか新鮮。


「まぁ、基本的に、お前! とか、おい!って呼べば答えてくれるから名前とかいらないけど」


『ちょっ! せっかく名前を定着させようと思っているんですから、やめてくださいよ!』


 めちゃくちゃ仲が良いですね、この二人‥‥。

 でも、なんだろうこの二人の関係何だか見たことあるなぁ‥‥あ、今世の灘実なたみさんと蔭道かげみちさんの関係に似ているからそう思うのかも?


 まぁ、お互いはお互いのことをよく知っているんだろうし、久々だからきっと二人とも嬉しいんだろうな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ