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28 呼び方

 ジェットコースターの後、近くにあったカフェの様なところでひと休みしていた。

 休憩中、様々な話をしていたが、何故か話題は呼び方のことに。


「まぁ、気分転換に呼び方を変えるというのは楽しそうではあるが」


「そう! 同じ呼び方だと何だか面白味がないと思って!」


 まぁ何故かというほどのことではなく、広葉が言い始めたんだが。


「でも、結構今のままで合ってるような気がしますが?」


 新鮮味を出したいのかもしれないが、あまり興味ないな。

 兄さんとで、お互いの呼び方変えればいいよ。


「そう言わずにさ、奈留ちゃんも俺のこと下の名前で呼んでみ?」


 下の名前‥‥いや心のなかでは広葉と言っているが実際呼ぶときは森田さんだし。


「‥‥こうよう」


「感情が全くこもってなくて、あんまり嬉しくない‥だと!?」


 本当に呼ぶと何だか男っぽさが出そうだし、勘弁してほしい。

 よしここは小乃羽ちゃんに聞いて話を反らそう。


「小乃羽ちゃんは、誰か変えてみたいとかある?」


 小乃羽ちゃんは何か変えてみたいとかあるのかな?

 私の呼び方も恥ずかしかったら変えてもいいんだよ?


「え? 私ですか? そうですねぇ。 でも御姉様は御姉様ですし、森田先輩は森田先輩だし‥‥」


 あ、やっぱり御姉様なんですか‥‥。


 それにしても先輩って呼び方いいな。

 私も先輩呼びにしようかな?


「じゃあ兄さんを変えてみようよ!」


「え? でも‥‥」


「別に俺はどんな呼ばれ方でも、構わないよ?」


 まぁ兄さんのことだから、年下に呼び捨てにされるぐらいでも笑ってるだろうしね。

 どんな呼び方するんだろ~♪


「‥‥じゃあ私、お兄様って呼びます!」


 あれー! そっちにいっちゃったか!!

 確実に私を御姉様って呼んでるからだよね!

 どうしてこうなった!


「‥まぁ福林さんが呼びたいように呼べばいいよ」


 兄さん、笑っているけど、はじめ少し驚いてたよね?

 なんか思ってたのと違うと思ったの、兄さんも同じ気持ちっぽいな!


「陸だけずるい‥‥俺にも妹が欲しい」


 気にするのは、そっちか!

 あと多分尊敬して、お兄様になってるだけで、妹になりたいわけではないと思うよ?


「じゃあそろそろいこうか」


「そうですね、お兄様」


 あれ、何だか様になってていいな。

 まぁ仲良くなって、そのまま恋人とかになる可能性もあるかもしれないもんね!

 兄さん頑張れ!


「奈留ちゃん、俺にもお兄ちゃんって呼んでいいんだよ~?」


「広葉‥‥」


 あ、下の名前で呼んじゃった。


「下で呼んでくれたけど、何だか奈留の目が冷たい!」





 ◆◇◆◇◆◇




 その後、メリーゴーランドや観覧車が、人が少なかったのでそのまま乗ったりと、遊園地を満喫した。

 回る乗り物率高いな!


 そうしているうちに段々と空が赤くなっていた。


「そろそろ帰る?」


 一応電車に乗ってる時間のことも考えると、そろそろ帰った方がいいと思い、言いたくはないが切り出した。


「そうだな、あまり遅くなってもいけないしな」


「結構満足したよ。 やっぱり皆でくると違うね」


「またこれたらいいですね」


「そうだね♪」


 そして私達は、楽しかった遊園地を後にし、駅に向かって歩き出した。

 私は、この楽しかった話を学校で由南ちゃんに、どういう風に自慢げに話してやろうかと考えながら‥‥。

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