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294 暫しの別れ

前半は引き続き、広葉さん視点で、後半は磨北信くん視点になります。

 その後、一時間くらいが経ち、まだ戻らないと思っていたつぼみが戻ってきた。

 数時間かかるって言ってなかったか?


「出来ましたよ、準備。 久々に動かしたので、もう少し時間がかかるとはおもったんだけど、直す部分が全然なかったし、予想以上に日頃からメンテナンスをされているかが見てとれますね‥‥さすが私!」


 なんで、急に自画自賛してるんだよ‥‥。

 確かに今でも、少しずつ便利にしようと、改良してくれているのは知ってるけどな。


「そうか、ありがとな。 つぼみ


「───っ! そんな急にお礼言わないでください! 照れるじゃないですか‥‥」


「あ、すまん」


 つぼみがそこまで照れるとは‥‥まぁ、最近は前みたいに感謝したりは少なくなったからなぁ。


「全くもう‥‥。 次はもっと急にじゃない時にお願いします」


「次はないんじゃないか?」


「え‥‥ない? じゃあ今、もっと言ってください!」


「なんでだよ! というか、準備できたんだろ? どうするんだよ」


 危ない危ない‥‥。

 もう少しでまた無駄な時間を費やすところだった。


「まぁ、それは磨北まきたさんが今から行けるかどうかにもよると思いますけど?」


「あ、私は大丈夫です。 蔭道かげみちさんが行くときに合わせていただいて」


「そうですか‥‥じゃあ、どうしましょうか‥‥」


 でも、これから行くとしても、少しあとになるとしても、数日間はつぼみがいないってことになるのか‥‥。

 この世界に来てからつぼみとそれだけ離れるっていうのは初めてかもしれない。

 その事に少し寂しいような気持ちになる俺がいた。


 いや、でももう出会えなくなるわけではないからな。

 ちゃんと見送ってやろう。


「まぁ、自分でいうのもなんですが、私は気が変わるのがとても早いので‥‥今から行きましょうか!」




 ◇◆◇◆◇◆




 私は蔭道かげみちさんに連れられて、大きな機械の前まできた。


 自分でお願いしておいてだが、私は蔭道かげみちさんや森田もりたさんが前世に行くことを了承してくれるとは思っていなかった。

 正直、私を連れていってもメリットがないし、蔭道かげみちさんからしたら、私は知らない人だし。


 でも、了承してもらったからには、ちゃんと自分のしなければならないことをちゃんとして、また帰ってきたときに、二人にお礼をしよう。


「じゃあ、二、三日は帰ってこれないですが、大丈夫ですか?」


「はい。 でも、時間を調節できるなら、行った時間に帰ってくることも可能なんじゃ‥‥?」


「確かに出来ますけど、私はひーくんと同じ時間を生きたいので、向こうで一日間滞在したら、この世界でも同じ一日経過した時に帰ってきます。 これは絶対です」


「そうなんですか。 あ、別に疑問に思っただけで、不満があるわけではないので!」


「いえ、わからないことがあれば聞いてもらえると助かります。 私は言われないと答えないことが多いので。 ‥‥ひーくん以外は」


 本当に森田もりたさんだけは大切なんだね‥‥。

 まぁ、私も疑問があれば聞いてみることにしよう。


「では、ひーくん、帰ってきたら、温かく抱き締めてくださいね?」


「やらねーよ。 あまり、磨北まきたに迷惑をかけないようにな。 ‥‥ちゃんと帰ってこいよ」


「あはは、では行ってきます。 磨北まきたさん、行きますよ」


「はい、森田もりたさん、ありがとうございました。 行ってきます」


「あぁ、頑張ってこい」


 こうして、私は大きなマシンの中に乗り込んだ。

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