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291 選択の結果

引き続き、広葉さん視点です。

 勢いよく返事したが、本当に大丈夫なんだろうか‥‥。

 正直、違う方選んだら、本当に行かせないつもりだぞつぼみは‥‥。


「それで、どちらですか?」


「はい、この体のまま、前世に行きたいです」


 なんだか、その磨北まきたの発言に俺は驚いた。

 少しでも祈実きさねの体になって前世に行きたいんじゃないかと思ったんだが‥‥。


「‥‥‥‥わかりました。 いいですよ、前世に行っても」


「え、正解だったんですか!?」


「はい、そうですよ? 普通に自信があったんじゃないですか?」


「いえ‥‥わからなかったので、自分のしたい方にしました」


「じゃあ、初めから二択にする必要はなかったですね。 前世に行きたいっていうからてっきり元に戻りたいのかと」


「戻りたくないと言ったら嘘になるかもしれませんが、それでも、もう今いるこの世界が私の世界ですから。 ただ、前世に残したものがあって、それを見たら私自身が成長できるような気がして‥‥」


 残してきたもの、か‥‥。

 俺とかつぼみは自分の意思でここにきたから、後悔も何もないが、磨北まきたはいつの間にかいたんだもんな。


「一つだけいっておきますが、過去や未来は変えられませんよ?」


「あ、そうなんですか。 いえ、それについては大丈夫です。 特になにも変えるつもりはありませんから」


「わかりました。 じゃあ、数時間後に私も行くので、その時一緒に」


「‥‥‥‥え? つぼみ、お前も行くのか!?」


 そんなの聞いてないんだが?


「はい、操縦や機能をいちいち説明するのも面倒ですし、丁度私も忘れ物がありまして、いつ取りに帰ろうかと思っていたところだったんですよ。 そんな一つの用事に戻るのも面倒だったんで、逆によかったですよ」


「そんな理由があるなら、初めからいいよって言ってやれよ‥‥」


「だって、精神のみを行かせたいって言われたら、断るしかないですし、初めからは無理ですよ」


「まぁ、確かに‥‥」


 それがあるからつぼみは二択で選ばしたんだもんな。


「じゃあ、あなたは、ひーくんと昼御飯を食べながら待っていてください。 私は起動準備をしないといけないので」


「は、はい。 ありがとうございます、よろしくお願いします」


「それじゃあ、数時間後に呼びに来るわ」


 そう言って、つぼみは部屋から出ていった。

 あ、あいつ、昼飯食わなくて良いのか‥‥‥‥いや、あぁなったらたぶんなにも食わないだろうな。


 クールな感じの雰囲気を醸し出しているが、さっき凄い目を輝かせて、部屋を出ていったから何だかんだで楽しいのだろう。

 あれなら、磨北まきたのことは心配ないな。


「やっぱり、同級生のつぼみちゃんとは違いましたけど‥‥優しいところは一緒ですね」


「‥‥‥‥え? あぁ、そうだな」


 たぶん違うような気がするが、まぁ、一緒ということにしておこう。

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