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290 行けるかどうかの選択肢

引き続き、広葉さん視点です。

「だからな、こいつは好きなやつがいるから、そんなことにはならないんだよ」


 つぼみが俺と磨北まきたを疑うので、俺は一から違う理由を説明させられることになった。


「むむぅ‥‥そうなんですか。 じゃあ今はそれでいいです」


 はぁ、ようやくか。

 でも今は、ってまだ少し納得してないのかよ。


「そんなはっきり言われちゃうと私も恥ずかしいんですが‥‥」


「本当のことなんだから、恥ずかしがるなよ」


 そこは我慢してもらうしかない。

 そう説明しないと、どこまでも納得しないだろうからな。


「‥‥その好きな人に対する反応からして、たぶん本当のことなんだろうことが見てとれます。 わかりました、この磨北まきたさんという方に少しですが、シンパシーを感じましたし、話ぐらいは聞きますよ」


「ほ、本当ですか!」


 お、つぼみが忙しいと言っておいて、他人の話を聞こうとするなんて、ほとんどないんじゃないか?

 話をしてみると言っておいてなんだが、断ると思っていたからな。


「はい、それで、今日はどういった後用事で?」


「え? あ、はい。 実は‥‥‥‥」


 俺と話すときと他人と話すときでは、つぼみの話し方や雰囲気が変わるから磨北まきたは少し驚いていた。

 さっきまで磨北まきたの方に視線が一回も向かなかったしな。


 ようやく、磨北まきたつぼみに用件を話始めたので、あとはつぼみの判断を待つだけだな。




 ◇◆◇◆◇◆




「へぇ‥‥前世に‥‥ね」


「はい、お願いできませんか?」


 つぼみが結構悩んでる。

 いつもなら、すんなり断るはすだが‥‥まぁ、断ってほしいわけではないのだが。


「そもそも、あなたはどちらで行きたいですか?」


「どちら‥‥とは?」


「精神のみを前世に送って、死ぬ前の前世の体に戻るか、体ごと前世に送るか。 まぁ、どちらにするかで私の返事も変わってくるので」


 つまりは精神が、りくが生きていた時の昔の前世に祈実きさねとして戻るってことで、体ごとが俺たちが過ごしていた時間の、もうりく磨北まきたもいなくなってしまった、全てが終わったあとの前世に行くかってことだ。


 でも、つぼみが相手に選ばせるなんて、もしかしたら相当、磨北まきたのことを人として気に入ったのか?

 まぁ、シンパシーを感じたって言ってたが、そこのところは本人しかわからないし。


 しかし、精神か、体ごとかぁ‥‥。

 精神の方は、つぼみがこちらに来てから作ったものの一つに物忘れ防止装置とタイムマシンの機能をくっつけたものがあったはず‥‥。


 体ごとの方は、俺たちがこの世界に来るために使った、当時タイムマシンだったものだ。


 どちらも利点と欠点があるので、一概にダメだとは言えないが、きっとつぼみが行ってもいいというのは、あれだろう‥‥。


 でも、それがわかるのは俺がその理由を聞いて、知っているからであって、全く聞いたこともない磨北まきたがすんなり答えられるとは思えないんだが‥‥。


「何故片方がダメなのか、理由を聞いてもいいですか?」


 そうだよな、流石にヒントは欲しいよな‥‥。


「わかりました。 ヒントは‥‥‥‥無しです!」


「そこは言ってやれよ!?」


 ビックリしたわ‥‥。

 なんで、さっきまでシンパシーを感じたとか言っておいて、急に厳しくなるんだよ。


 思わずつぼみの頭に軽くチョップしちゃったわ。


「イタッ! もう、ひーくん、そこはチョップじゃなくて、もう少し優しく抱きしめるとかそういうのをしてくれたら、瞬時にヒントを出したのに‥‥」


「なんで、磨北まきたの二択のヒントを出すのに俺が関わるんだよ」


「まぁ‥‥その方が私が楽しいから?」


「さっさとヒントだせ」


「はぁ、全く。 少し甘い展開があっても良いはずなのに‥‥。 じゃあ、ヒントですね。 ヒントは片方は危険だから‥‥です。 それ以上は答えになるので言えませんよ」


 いやいや、それ全然ヒントじゃなくないか?

 磨北まきたが答えられるとは思わないんだが‥‥。


「大丈夫です!」

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