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264 合流しました!

「お~い! みんな~!」


 近くなっていくごとに、二人の姿がはっきりと見えるようになった。

 遠目からでもそうかなとは思ったが、二人とも浴衣に着替えているようだ。


 ‥‥しんくんの浴衣、凄く良い‥‥。


 私がしんくんに見とれている間に、兄さんたちは二人の前に行っていた。


「おー、祈実きさね。 早かったな」


「楽しみだったからね。 ‥‥というか、りくくんと広葉こうようくんは、何故浴衣じゃないの?」


奈留なるにも言われたぞ、それ。 まぁ、なかったからなんだが、こんなにみんなが着ていると、逆に浮いているな‥‥。 」


 兄さん達が祈実きさねさんと話している内に、私はしんくんの前に行く。


「こんにちは、しんくん‥‥!」


「こんにちは。 浴衣、凄く可愛いね。 ‥‥‥‥いや、奈留なるさんにとって可愛いって褒め言葉なのか?」


「だ、大丈夫だよ? それなら私も、格好いいっていうのは問題ないの‥‥かな?」


「う、うん‥‥」


「‥‥‥‥格好いい」


 あ、いや、流れで心の気持ちが漏れちゃったけど、今そうとう変なことを口走ったような気がする!

 でも、緊張のし過ぎで、自分が何を喋っているのか、よくわからないよ───!


「あ、ありがとう」


「どういたしまして‥‥‥‥」


 ────っ! もう、いつも緊張しながら話しているのに、また印象が変わる服を着られたら、慣れてないので、余計に緊張するじゃないか!

 つぼみちゃんのあのときの体験をこんなにすぐに味わうことになるとは‥‥。


 本当に誰だ! しんくんに浴衣着せたのは! ───感謝してます、ありがとう!


 でも、このままじゃ、何も喋らなくなって、そのままお祭りが終わっちゃいそうだよ‥‥!

 ‥‥そうだ! 困ったときには、由南ゆなちゃんだ!


由南ゆなちゃ‥‥あれ?」


 さっきまでいた場所に、由南ゆなちゃんはおろか、兄さん達もいなかった。

 え、何処行ったの!? と思って探してみると、少し離れたところに兄さん達の後ろ姿が見える。


 な、なんで置いていった!


「皆、いつの間に‥‥。 奈留なるさん、行こっか」


「そうだね。 このままだと見失っちゃうし」


 私達は急いで、みんなの後を追った。




 ◇◆◇◆◇◆




由南ゆなちゃん! 置いていくなんて酷いよ!」


「あ、せっかく二人きりにしたのに‥‥。 なんで合流してくるかなぁ‥‥」


 ま、まぁ由南ゆなちゃんがそういうつもりなのはわかっていたが、さすがに今はダメだと思う!

 何がダメかって‥‥私の心の問題で!


「今日は皆で楽しもうよ! さすがに兄さん達もいるんだから!」


「はぁ‥‥。 わかったわよ。 でも隣にはいなさいね」


「う、うん。 それは大丈夫」


 話をするとなるとまた緊張してしまうかもしれないが、隣にいるのは素直に嬉しいし、楽しくなるし。

 でも、今回は出来るだけ笑顔で話せるように頑張ろう!

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