258 昔からそうだったこと
その後、浴衣は大体決まり、そろそろお腹も空いてきていたので、手早く作って、兄さんと由南ちゃんと三人でご飯を食べたりして過ごした。
由南ちゃんが私の家で一緒に食べてるなんて珍しいが、特に一緒に食べているときに違和感がなく、もう本当に家族のような存在なんだなと心の中で思いながら食べていた。
そして、今度はお風呂に入ることになったのだが、由南ちゃんには先に入ってもらうことにした。
「本当にいいの? 奈留が先でもいいのに‥‥」
「大丈夫、大丈夫。 別に順番とかは気にしないから」
「そうなの‥‥一緒に入る?」
「いえ、大丈夫です!」
ここは全力て、首を横に振る。
最近は無理矢理入らされたり、流れでなんてことが多いが、未だ罪悪感はあり、出来れば入りたくはない。
それは長年一緒にいる由南ちゃんでも同じ事‥‥‥‥しかし、由南ちゃんとは結構一緒に入っているような気がする。
まぁ、よく入っていたからこそ、由南ちゃんは私が一緒に入るのが少し苦手っていうことをわかっているのだろうし。
たぶん今も、一応言ってみたってところだろう。
「じゃあ、先に行ってくるわ。 奈留も入り終えたら、また色々と話しましょう」
「そうだね」
入ったあとってことは、パジャマパーティーのようなものだね‥‥いや、違うか。
このあと、由南ちゃんが入り終わるまで、残りの片付けを終わらせることにした。
◇◆◇◆◇◆
二人ともお風呂に行った後、初めは楽しく話していたのだが、少し疲れていたのか、私は段々と眠くなっていったので、まだ時間は早かったが寝ることになった。
由南ちゃんはもう少し話したそうにしていたが、仕方ないといった表情だった。
せっかく来てくれたのに、申し訳ない‥‥。
そして、私は深い眠りに落ちた。
◇◆◇◆◇◆
「ふぁ~。 もう、四時かぁ‥‥。 早いな」
学校があるわけではないのだが、いつもの時間に起きてしまった。
二度寝してもいいのだが、そうなるとまたしんどいので、私は起きることにした。
同じ部屋で寝ている由南ちゃんは、まだ目覚める気配はなかったので、出来るだけ静かに部屋を出る。
朝食とか頑張って作ろうかな。
その一時間後くらいに、由南ちゃんが起きた。
「おはよう、奈留。 ‥‥いつも本当に起きるの早いわよね」
「おはよう。 うん、まぁもう習慣のようなものだからね」
特にそれをやめる理由っていうのもないし‥‥。
「だからかもしれないけど、奈留は眠ったら、他の人が揺すったりしても全然起きないくらい眠りが深いわよね。 でも、自分で起きようとしたら、スッと起きるし、奈留って凄いわね」
「あー、うん。 大きな音がなっても、起きないって、結構兄さんにも言われたなぁ。 でも困ったことはないし、ちゃんと起きれるから逆に感謝してるけどね」
年齢が上がっていくごとに、睡眠も浅くなるかと思ったのだが、まだまだ中学生では深いということなのかもしれないなぁ。
まぁでも、質の良い睡眠ができて、疲れも少ないから、いいと思うけど。
「まぁ、いいや。 奈留、コーヒーはあったかしら?」
由南ちゃん、朝にコーヒー飲んでたっけ?
「眠いの? 眠いならもう少し寝ててもいいんだよ?」
「いや、起きるわ。 私だけ寝ているのも嫌だし」
「兄さんは寝てるけどね」
兄さんはあと少ししたら起こしてあげようかな。