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257 親友の優しさ

「くっ、これでもない‥‥。 こっちも違うな‥‥」


由南ゆなちゃん、別に浴衣は明日でいいんじゃない? というか、そんなに持ってきてたんだね!」


 浴衣レンタルでもしてるんですかというほど、由南ゆなちゃんは沢山浴衣を持ってきてる。

 それを、現在、私の部屋に一通りだして、選んでいるのだが、由南ゆなちゃんは納得していないようだ。


「来たときに言ったでしょ。 明日のために来たんだから持ってくるのは当然。 それと、明日はゴタゴタしたくないから今してるのよ」


 まぁ、選んでくれるのはありがたいし、浴衣は私服ほど肌の露出も少ないので、存分に選んでくれていいと思う。

 だけど、由南ゆなちゃんの真剣な顔を見ると、何だかこっちも固くなっちゃって、なにもしていないのにも関わらず、疲れちゃうんだよね。


「まぁ、余裕を持って選ぶのはいいと思うけど‥‥。 少し休憩しない?」


「そうね。 そうしましょうか。 ‥‥‥‥ふぅ、何だか気が抜けると、疲れてきたわね」


 あんなに集中していたら、無理もない‥‥。


「私も‥‥。 お茶入れるけど飲む?」


「ありがとう、貰うわ」


 私はキッチンでお茶とお菓子を持っていく。


「でも、何だか二人きりで、過ごすのも久しぶりだね」


「最近はそうね。 つぼみが仲間外れを嫌うから。 まぁ今日くらいは許してくれるわよ」


「たぶん、言われるだろうなぁ」


 自分に予定があったとしても、言ってくるからねつぼみちゃんは。


「その時はその時よ。 ‥‥‥‥でも、こうして奈留なるの家にお泊まりって、小学校高学年の時を思い出すわね」


「あ~あのほとんど毎日遊んでいた時期ね。 楽しかったね」


 今では、よく毎日遊んだりしていたなと思うが、当時はそれが当たり前だったからね。

 由南ゆなちゃんの家に泊まりに行ったり、私の家に由南ゆなちゃんが泊まったりを繰り返したり。


「本当に、初めの頃は仲が悪かったのが嘘のようにね」


「別に私は嫌いって訳じゃなかったけどね」


「そうね。 私が意地を張っていただけよ。 でも、その失敗のお陰で、今の私になれてるから。 だからその後、奈留なるには本当に感謝してるの」


 私は別になにもしていないけどね。

 由南ゆなちゃん自身が、自分の力で変わって、成長して、そして私の優しい親友になった。


「それをいうなら私だって感謝してるよ?」


「ありがとう。 でもね、私は奈留なるに迷惑をかけていた分、何かをしてあげたいと思ったの。 何だか押し付けがましいかもしれないけど」


「ううん、全然。 逆に最近は、してもらってばかりで申し訳なくなるくらいなんだよね」


 本当に助けられてばかりだから、由南ゆなちゃんにも、いつかなにか困ったことがあれば助けてあげられる人になりたいなぁ。


「私も楽しんでやってるから、気にしなくていいの。 ‥‥まぁ、だからなんでこんな話をしたかったかというとね。 奈留なるには幸せになってほしいってこと。 私も全力でサポートするから、だから、明日は頑張ってね」


「そっか‥‥うん、由南ゆなちゃんの期待に応えられるよう、頑張る」

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