24 着いてみて
電車に揺られて一時間。
‥‥思ったより遠かったな遊園地。
私達は今、遊園地の入場口の前にいる。
はぁ、日曜だから人が多い、帰りたい‥‥。
そして隣には、もう既に疲れた私と同じようになってる私の兄。
「人が多くてなんか疲れた。 帰りたい」
さすが同一人物だけはあるね。 やはり思うことも一緒!
「あの中に行くのですか‥‥これは大変ですね御姉様」
入り口に何でこんなに人いるんだよ!
ここにはアトラクションねーぞ!
「はぁ、帰りたいね」
「陸まだ入ってもいないから! 奈留ちゃんもため息つかない!」
広葉元気だねぇ。
まぁ人が多くてつらいが、せっかく広葉が誘ってくれたのだから楽しまないと損だよね。
広葉にも悪いし、頑張って行こうか。
「じゃあ元気出して行きましょうか兄さん、小乃羽ちゃん!」
「そうだな」
「そうですね」
「奈留ちゃん、何で俺飛ばされたの!?」
広葉は、既に元気じゃねーか!
これ以上は元気出さなくていいよ。
◆◇◆◇◆◇
入園すると改めてわかる人の多さ。
こんなに人がいれば、アトラクションも並ぶんだろうなぁ。
私がウキウキで、並ぶことができるのは、美味しいラーメン屋のみである!
他は‥‥死んだ目をしながら待つしかないね♪
そういえば、前世で広葉が待ち時間の間、何時でも場の空気を楽しく出来るやつはモテるやつだと言うことを豆知識なのか自慢げに語っていた。
いや言われなくても、わかるよそれぐらい。
ただし顔がよければ関係ない‥‥というのが最後に入ってくるらしい。
広葉‥‥頑張れ!
「並んでいる間、場の空気を楽しくし続けられるやつはモテると言うのが俺の考えだ!」
うわ、今世でもいってるし‥‥
変わらないね‥‥広葉。
「じゃあお前は違うな」
「え、何で?」
「俺は今とても不愉快だ」
「陸、それは酷くない!?」
うわ~正論過ぎて広葉を庇えない!
広葉‥‥本当に頑張れ!
「こうやって立っていても仕方ないですし何処か行きませんか?」
小乃羽ちゃんの言う通り、何処か行かないことには始まらないしね!
「そうだね、福林さん。 皆は何処に行きたいとかあるかな?」
乗りたいものかぁ。
今、一番求めているのは、近くにあるベンチだけど。
言ったら怒られそうだしやめておこう。
何があるのかはイマイチよくわからないが、穏やかなのに乗りたいかな。
「はい、陸、俺はお化け屋敷に行きたいです!」
広葉そういうの好きだったっけ?
あと私、お化け屋敷大丈夫かなぁ。
まぁ多分大丈夫だとは自分では思うんだけど。
「じゃあ福林さんは?」
「私はあのジェットコースターに乗ってみたいです」
小乃羽ちゃんが、指差した方をみると特大のジェットコースターが‥‥。
あんなの乗るの? 死ぬんじゃないかな?
小乃羽ちゃんが絶叫系が好きだとは思わなかったな。
「奈留は?」
「私はゆったりした物がいいかな」
激しいのはジェットコースターで乗るのだろうし、ゆっくりしたのでも楽しいよね。
「じゃあ時間は少ないかもしれないけど優先してその三つは回ることにしようか」