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247 冗談‥‥でしょ?

「もう学校が終わってしまった!」


 いつの間にか今日最後の授業が終わって、皆は教科書などを片付けている最中だった。

 私の席の近くに由南ゆなちゃんがいた‥‥たぶん気づかなかっただけで、さっきからいたんだろうな。


「‥‥普通に長かったでしょ。 奈留なる一体どれだけ、呆けていたのよ」


「ほ、惚けるなんてそんな! そんなにしんくんを見てたわけじゃないよ! ちゃんと我慢したもん」


「いや、授業のことを言ったんだけど。 あと磨北まきたくんを見てなくても上の空だったからね」


 そ、そんなことはない‥‥と思うよ。

 だって、ちゃんとノートもとってるし‥‥あれ? ノートにどんなの書いたか覚えてないな‥‥。


「でもさ! そんな私を由南ゆなちゃんは見ているわけだから、私とそう変わらないよね?」


「バカね。 そんな奈留なるみたいにじっとなんて見ないわよ。 奈留なるじゃあるまいし」


「そんな、ダメな子みたいに‥‥」


 私だって精一杯のことはやってるんだからね!


「まぁ、もう授業は終わったし、今日は部活ないみたいだし、帰ろうか?」


「そうだね」


 じゃあつぼみちゃんも誘おう。

 ‥‥あ、そういえば、人工知能改良のために帰ったんだった。


 こうして、私は二人で帰ることになり、教室を出た。




 ◇◆◇◆◇◆




「いや~、やっぱり下校って気分が盛り上がるね」


 何だろう、やっぱり授業がいくら楽しくても、周りに大勢人がいるので、無意識にストレスを感じているのかもしれないな。

 下校の時間はそれが解放されるからか、気分が良い。


「あー私は違うけど、いるわよね。 朝はめちゃくちゃテンション低いのに、帰りになると急に上がる人。 私嫌いなのよね」


「えぇ!?」


「冗談よ。 別に空気を読んでくれていたら何でもいいわ」


 確かに周りのことを考えずに上がっている人は私も苦手かもしれないね。

 さすがにそこまでひどくはないけど、広葉こうようつぼみちゃんも朝よりは昼を過ぎた方が、笑顔も増えるもんね。


「なんとなく由南ゆなちゃんの言っていることはわかるんだけど‥‥由南ゆなちゃんの冗談は本当に怖いです‥‥。 本当、真実を言っているように聞こえるし」


「昔からよく言ってるんだからそろそろ慣れなさいよ‥‥。 あ、磨北まきたくんがいた」


由南ゆなちゃん、さすがに今のタイミングだったら私も冗談だってわかるよ? 全くもう!」


「いや、本当にいるから、ほら」


 そう言って、由南ゆなちゃんが指差した方向にはしんくんが‥‥‥‥本当にいた!?


「やばいよ! 隠れないと!」


「なんでよ! ほら、奈留なる行くわよ」


「え、ちょ、由南ゆなちゃん!? せ、せめて自分のタイミングで! 自分のタイミングで行くから────!」


 こうして、私はしんくんの所に引っ張られていくのだった‥‥。


 最近、由南ゆなちゃんに引っ張られること多いなぁ‥‥。

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