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242 好奇心

「でもよく、そんな仮説のようなものを考え付くね。 私といたときはそんなに頭がよくなかったのに」


「頑張ったからな‥‥。 それにつぼみの知恵だって借りてる。 まぁつぼみでもまだわからないことが多くて、毎日色々と調べてるよ」


 家にいる間、はなさんはつぼみちゃんと同じように発明品を作っているのかと思っていたが、最近はそうではないらしい。

 私にはわからないが、はなさんも大変なんだね。


「へぇ、何でもわかっちゃいそうなのにね」


「そうだな。 でもつぼみが失敗をすることもある。 正直、さっき言った仮説も、まだ間違ってないか疑っているみたいだし‥‥。 しかし、好きで調査しているからか、楽しそうだけどな」


 楽しんでやっているのは何となくわかる。

 似たような‥‥とういか全く同じ人間のつぼみちゃんがそばにいるからね。

 本当にキラキラした目でやるからね、つぼみちゃん。


「好き勝手言われてるけど、別に私、自分を酷使するのが好きなわけじゃないからね」


 声のするほうを向くとはなさんが扉の横で立っていた。

 話に夢中で全然気づかなかった‥‥。


「お、つぼみ。 いつからいたんだ?」


「少し前です。 ひーくんも夕闇ゆうやみさんも全然気づかないんだもの。 だから黙って何を話しているのか聞いていたんです」


「そうか。 でも、悪口は言ってないぞ? スゲーなって」


「知ってますよ、それくらい。 ただ、話に入るタイミングがここだと思っただけです」


 はなさんも話したかったんだろうか。

 ま、まぁ好きな人を独占されてたら良い気はしないよね。


 でも、特に私に何もないし、特に怒っているわけではないのかな?


「別に何時でもよかったのに‥‥。 あ、そういえば、つぼみにも聞こうと思っていたんだが───」


 広葉こうようは先程までのことを改めて話始めた。


 私にとっては特に気にならないようなことだが、色々と調べているはなさんには報告しておいて損はないもんね。

 ‥‥何かしらの研究者みたいだね。


「───というわけなんだ。 つぼみはどう思う?」


「う~ん、通り魔ですか‥‥。 わからないとしか言いようがないですね。 別に夕闇ゆうやみさんだから襲ったって訳じゃないでしょうし、この世界にあったから、元いた私たちの世界にもあったと言えるほど、ここの人間関係は私たちのいた世界とは違っています。 とはいえ、急にそんな出来事が起こるのも妙な話です。 起こっていたけど知らなかったという線もあると思いますよ」


「起こっていた‥‥か」


「多少の時間のズレもあるかもしれませんし、そこのところは一度戻ってみないとわかりませんね。 ‥‥でも面白そうな情報をありがとうございます。 まだまだ未知がありそうで調べるのが楽しみです」


 そう言って笑顔になるはなさんは何だか、悪の科学者のようだ。


「あ、りく、悪いな。 お前の興味のない話に付き合わせちまって。 つぼみといると何故か俺も好奇心が強くなるんだよなぁ」


 まぁ、確かに前の世界がどうだったから、こちらにもみたいなことは私にはあまり興味がないかな‥‥色々とネガティブなことを考えそうだし。

 その日、その日を楽しく生きていたいしね。


「まぁ‥‥うん、頑張ってね」


 その少しの会話の後、そろそろ暗くなる時間なので、私は家に帰ることにした。

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