241 どちらでも同じ‥‥
広葉と話していると、丁度お昼時だったこともあり、帰ろうかどうしようかと思っていたとき、部屋に大人の蕾さん。 通称、花さんが勢いよく広葉の部屋のドアを開けた。
「ひーくん、お昼どうす‥‥‥‥あ、なんだあなたもいたんですか」
「お邪魔してます」
花さんと会うのはこれで何度目になるかはわからないが、その都度、花さんの印象が変わっていっているのは、言うまでもない。
初めは大人っぽい性格をしていると思っていたのだが、それは少し違っていて、広葉と一緒にいる時はその大人っぽさが崩壊する。
その時だけは、今世の蕾ちゃんに雰囲気が似ていて、そっちが素なのかなぁ、なんて思っている。
まぁでも、蕾ちゃんみたいに広葉以外と話すことは滅多にないらしく、信用もあまりしていないようだ。
そう思うと、私はどうなのかっていう風になるのだが、たぶん、知り合いっていう立ち位置なのだろう。
広葉の友達なので、特に無下にはされないが。
それでも、広葉との時間を邪魔されるのは凄く嫌うようで、広葉がいるから声には出さないが、花さんの扉を開けた瞬間と今じゃまるで表情が違う。
「お昼かぁ‥‥陸も一緒に食うか?」
「え? いや、私は‥‥」
花さんの邪魔はしたくはないので、断ろうかなぁと思っていた。
チラッと花さんを見ると、広葉の誘いを断るのか!? みたいな少し怖い表情でこちらを見てくる‥‥‥‥本当にどちらの選択肢でも不正解な気がしてならない。
「どうした?」
「た、食べます‥‥」
「そうか! いや~、まだ色々と聞きたいことがあるし、どうしようかと思っていたんだが、良かったよ」
こっちはよくないけどね!
こうして私たちは詩唖先生も入れて、四人でご飯を食べに行った。
◇◆◇◆◇◆
「まぁそれで、前世、そんな通り魔みたいなことって起きたりしてたか?」
まだ聞きたいことがあるといわれたので、また広葉の部屋に二人で戻った。
広葉や花さんが検証して、わかったことなのだそうだが、別の世界での大きな出来事はほとんどの場合、起こり得る‥‥らしいということを少し前に広葉から聞いた。
そして例外があるとすれば二つ。
問題の根本的解決。 あとは大きく関わっている人の変化、つまりは転生をした人やその周りの人のことだね。
私が前世で死んだことも、妹が私になっていることで、根本的な解決をしている。
つまりはもう起こり得ないと。
「え? いや、なかったと思うけど‥‥。 というか、そんなことあったら広葉に真っ先に言ってるって」
「そ、そうだよな。 悪い! 色々と考えすぎみたいだ。 やっぱりこの世界特有か‥‥」
広葉が言うにはその二つの例外の他に、その世界から始まったものというのもあるらしい。
まぁ、性格が変われば、その性格だからこそ、体験する、初めてのことだってあるだろうしね。
だか、そこのところの違いが、わからないらしい。
まぁ、色々と変わりすぎているし、仕方がないような気がするが‥‥。




