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237 姉の親切

この話は磨北信くん視点です。

 奈留なるさんとのカフェでの出来事のあと、僕はきさねぇと一緒に家に帰ったのだが、二人になった途端に、凄く謝られたので、かなり戸惑った。


「ごめんね、しんくん。 まさか、あんなにタイミングが悪いときに入ったなんて思わなくて」


「え、いや、全然大丈夫だよ。 色々話して、あの時は充分に心が満たされたし」


 告白なんて勇気のない私は、正直うまく話そうとするだけで必死だったけど、予想以上に奈留なるさんとうまく喋られて、良かったと思う。

 奈留なるさんが僕を友達として話してくれたからか、凄く喋りやすかったし、奈留なるさんに嫌われてなくて本当に良かった。


「それならいいんだけど‥‥でも、私の気が収まらないし、きちんと応援するからね」


「い、いや別に奈留なるさんとは‥‥‥‥ありがとう」


 さすがに、きさねぇにまで知られているのは恥ずかしい‥‥。

 誤魔化そうと思ったのだが、きさねぇが応援してくれるんだから、ありがたく受け取っておこう。


「‥‥あ、奈留なるちゃんのお兄さんのりくくんにも、きちんと言っておくからね」


「え、いや。 それは言わなくてもいいんじゃないかな?」


 りくさんにも認めてもらってこそ、次の一歩が進めるような気がするし、そこは自分で言ってこそのような‥‥。


「うちの弟だから、暴力はダメだよって」


「是非とも、お願いします!」


 なにそれ怖い!

 大切な妹を守るために実力行使というわけですか‥‥さ、さすがにりくさんはそんなことはしないだろう。

 で、でも少しの可能性が怖いので、きさねぇにはりくさんに一応言っておいてもらおう。


 本当にりくさん、許してくれるだろうか‥‥。


「まぁ、私は二人がくっついてくれると嬉しいし、是非ともしんくんには頑張ってほしいね」


「い、いや、だからきさねぇ。 奈留なるさんとは」


「私がそう思うのは自由だから、しんくんは気にしなくていいよ~」


 いや、それは逆に気になると言うか、というか、そもそもなんできさねぇはこんなに積極的なんだろう。


 なんで、そんなに応援するのさ。

 特にきさねぇにはメリットがほとんどないのに‥‥。


「なんで、そんなにくっつけようとするの? いや、良いんだけどね」


「う~ん、奈留なるちゃんを義妹にできるから?」


 そ、そういうことですか、きさねぇらしいですね。


「それだけ?」


「まぁ、あとはしんくんが幸せになっているところを見てみたいってことが第一の理由‥‥かな」


 きさねぇがそんなことを思ってくれていたのは予想外だったので、かなり驚いたが、きさねぇ、に応援されているんだから、これからも出来る限り、奈留なるさんと仲良く話し、いつかは恋人のような関係になれたらなぁとそう思った。

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