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230 真剣に悩んだ結果

 メールを強制的に送らさせられた私は、少し経ってから返信がきたしんくんのメールをベッドの上でじっと見つめていた。


『じゃあ明日カフェで待ち合わせですね。 わかりました。 また、本の話が出来るのを楽しみにしています』


 気を使わせちゃってるかなぁ‥‥。

 あんな、逃げてきちゃったのに、返信を返してくれるなんて、しんくん優しいな‥‥‥‥何だが凄く嬉しい。


 はぁ、早く明日に‥‥‥‥いやいや、さっきまで明日が怖いって思っていたのに、何だこの、気の変わり様は‥‥。


 でも、会ってみて、何を話そうかな。

 というか、私は奈留なるとして会っていいんだよね?

 え、え? 考えるとさらにわからなくなってきた‥‥!


 あ、そういえば服はどうしよう‥‥あ、あとは髪型とか‥‥。

 あーもう! そんなこと今まで気にしたことなかったのになんで気になるの!


 もういい! 寝よう!


 ベッドに潜り込むと同時に、携帯が鳴り出した。

 画面を見ると、そこには由南ゆなちゃんの名前が表示されていた。




 ◇◆◇◆◇◆




「まさか、こう何度も由南ゆなちゃんの家に行くことになるとは‥‥」


 そう、今私は由南ゆなちゃんの家にいる。

 今日がしんくんと会う日なのだが、しんくんとの集合場所に行く前に由南ゆなちゃんが家に招いてくれていた。

 その理由は‥‥。


「だって、奈留なる、いつも通りの服装とか髪で、会いに行きそうだったし。 やっぱりこういう時ぐらいおしゃれしないと。 昨日、その事に気付いて、急いで連絡したのよ」


 本当によくご存じで‥‥。

 しかも、諦めた時と全く同じ時間に連絡がきたし‥‥。


「た、確かにもうすべてを投げ捨てましたけども」


 でも、しんくんは私が女の子らしくしようとすればするほど、離れていきそうな気がするけど‥‥。

 だって、女の人だったわけだし、というか祈実きさねさんだし!


「まぁ、奈留なるってなにもしなくてもいいような気もするけど‥‥ただ、私がやりたいっていうだけのことなんだけどね」


 あ、そうなんだ。

 でも、こんな機会がないときっと私は断るだろうし、こうやって親身になって色々とやってくれていることに本当に感謝している。


「ありがとね、由南ゆなちゃん」


「うん、じゃあ、好きにしていい?」


「えと‥‥あの‥‥程々でお願いします‥‥」


 由南ゆなちゃんの目がキラキラしていて、これはまずいなと思ったときには、もう遅かった。

 結果としては、私は由南ゆなちゃんに全身コーディネートをしてもらったわけだが‥‥うん、これはどこをどう見ても、女の子の中の女の子だな‥‥。


 えっと‥‥変更は‥‥出来ませんか、そうですか。

 しんくんはどう思うだろう‥‥。

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