229 私の決意
決意というのはよほどのことがない限り、ちょっとやそっとじゃ動かない。
私にはその自信があるし、私の決意は固い。
私は信くんと会って、ちゃんと自分の想いを伝える!
「‥‥‥‥と、思っていたんだけどね‥‥」
「何が、頑張るよ! よ。 全然、連絡もしないし‥‥このヘタレめ」
うぐっ、確かにその通りなんだけど‥‥。
「だって、だってー! 電話だと緊張して話せないし、メールだとなんだかちゃんと書けているか不安になるんだもん!」
「本当に何が、私の決意は固い、よ。 ちゃんと反省しなさい!」
「ご、ごめんなさい‥‥って、私の決意は固いって心の中で思ってただけで、口には出してないはずだけど!?」
心の中が丸見えなのか!
なんて、恐ろしい‥‥。
「大体想像できるわよ、それくらい」
「由南ちゃん‥‥凄い‥‥」
流石は私の親友!
「はぁ、少し落ち着いてからとは言ったけど、まさかメールが送れないとは‥‥。 まぁ、こんなこともあろうかと蕾を呼んでおいたわ」
「え、何で!?」
「いや、なんか緊張を抑えるものを作ってもらおうと‥‥」
「駄目だから! 百パーセント記憶操作だから!」
なんで、よりにもよってそんなブラックジョークを‥‥。
「お待たせしたっす~」
来ちゃったー!
「あ、早かったわね」
「奈留ちゃんが緊急事態ということで駆けつけたっす! それで、どうしたっすか?」
由南ちゃんは大体のことを蕾ちゃんに話した。
で、出来れば穏便なやり方でお願いしますね‥‥。
「あー、そういうことっすか。 まぁ、奈留ちゃんの気持ちがわからないでもない私からすると、特にそれほどすぐに行かなくてもいいと思うっすけどね」
た、確かに蕾ちゃんはゆっくりしてるもんね。
「蕾は、それでいいかもだけど、奈留は駄目よ。 絶対なにもしないもの!」
そんなはっきり宣言しなくても!
今回はちゃんとするつもりだよ!? 私、信用ないんですか!
「あはは‥‥まぁ、そんな深いことは気にせずメールで、明日何処かで会いませんか? くらいで私はいいと思うっすけど‥‥って二人ともなんでそんなに驚いてるんっすか!」
「いや、蕾が真面目に答える時もあるんだなぁって」
「ちょ、それ中々に酷くないっすか!?」
日頃、真面目だったらそんなことないんだけどね‥‥。
「でも、私もそれくらいでいいと思うわ。 あまり色んなことを決めるよりはその場で行く方が奈留には合ってそうだしね」
「そ、そうかなぁ~?」
「じゃあ、送るっすよ?」
え? 蕾ちゃんいつの間に私の携帯を!?
というか、どうやって携帯のロック解除したんだ!
「それは自分で送るから~!」
こうして、私は二人に後押しされ、信くんにメールを送った。
はぁ、不安だなぁ、明日‥‥。




