表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
215/780

212 家の中にいたのは‥‥

 自分より年上の人に話してみると、何だかスッキリするというか、私は気持ちよくカフェを出た。


「好きな人が出来たら、またその時、聞かせてね~」


 店から出ようとしたときに、後ろから蓮佳れんかさんがそう叫んでいたけど、たぶんそんな日は中々来ないだろうなぁ。




 帰り道に、少し買い物をして、家に帰ると、知らない靴が玄関にあった。

 あれ? 広葉こうようじゃないし‥‥というか、女の人っぽいような靴‥‥。


 ‥‥え、女の人!? 家には兄さんしかいなかったということは、今この靴の人と二人きり!?

 小乃羽このはちゃんと別れて寂しいからって、女性を家に呼んでるとかじゃないよね!


 いや、でも‥‥‥‥ここはきっちりと注意しておかなければ!


「兄さん、私はそんなの許しませんよ!」


「うおっ! 奈留なる? 帰ってきていきなりどうした!?」


 勢いよく、リビングのドアを開けると、そこには‥‥‥‥。


「おじゃましてるぞ」


 詩唖しあ先生がいた‥‥‥‥え? 詩唖しあ先生?




 ◇◆◇◆◇◆




 広葉こうようじゃないって言ったけど、詩唖しあ先生の方の広葉こうようだったんだね‥‥。

 いや~家にいるはずのない人だから、普通は想像できないよね。

 あと、広葉こうようだってわかっていても兄さんの隣にいるとこが凄い違和感がある‥‥。


 でも、後で疑ってしまった兄さんにしっかり謝っておかないと。

 ちょっとでもその可能性があるんじゃないかと疑った自分が恥ずかしい!


「まぁ、家庭訪問みたいなものだな。 そんなに固い話はするつもりはないがな」


 そういうことか、いやなんで来たんだろうと思ったよ。


「それにしては、兄さんとゲームしてませんでした?」


 帰ってきてドアを開けたとき、何故かこの二人、並んでゲームをしていた。

 いや確かに、兄さんと広葉こうようといえばこの並びだけど、広葉こうようあんた今、詩唖しあ先生だからね!


「いや~何故か先生なんだけど、初めて一緒にゲームしたとは思えないくらいでな」


 当然ですよ、広葉こうようだもの。


「今やってたゲームは久々で、つい盛り上がってしまった」


「あれ? 一応新作のはずなんですが‥‥」


 もう! 盛り上がりすぎで、ボロが出始めてるじゃないですか!


「あ、私、詩唖しあ先生と二人で話してくるから、兄さんはゆっくりしてて!」


 ふぅ、これで一段落‥‥‥‥。


「え? でも一応、家庭訪問なら、俺も聞きたいんだが‥‥」


 え!? えっと、あの‥‥どうしよ!?


夕闇ゆうやみ兄、まずは夕闇ゆうやみに報告しないといけないことがあるので二人で話すから、大切なことは後で三人で話そう」


 広葉こうようが、こちらを向いて、上手く誤魔化せたろ? みたいな顔してるけど、元はといえば広葉こうようが悪いからね!


「そうですか」


 こうして、私達二人は客間に行くことにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ