18 勉強
「へぇ~あの先生が卒業後そんなことにねぇ。 なんだか驚きだね陸?」
広葉は何だか楽しそうに兄さんに言った。
「俺はあまり興味がなかったから覚えてねぇーよ。 てかなんで今日もいるんだよ。 今日は誘ってねぇぞ」
あ、誘ってないんだ‥‥。
何かいつの間にかいたから遊びに誘ったんだと思ってたが。
それよりやっぱり兄は覚えてなかったのか。
前世の私は印象に残った先生なんだけどなー。
「まぁいいでしょ? 親友なんだし! それはそれとして中々だね。 先生がゲームなんて」
そういえば、前世の高校の時、違うクラスのやつらがテスト中にゲームで協力プレイしてたら、先生に一狩されたことがあったな‥‥。
まぁ実際生徒がしているならともかく、先生だからね。
いや生徒でもダメだけど‥‥。
「奈留にそんな授業を受けさせているなんて、クソ教師が。 反吐がでる」
兄さん言葉が汚いよ!?
もっとオブラートに包んで!
「兄さん、きちんと言葉は選んでください! 汚いですよ。 不愉快な虫けらくらいにしといてください」
「奈留‥‥それも同じようなもんだ」
あれ? 兄さんに影響されてるのかな?
いやいやでも同じ人間だし、仕方ないよね♪
私も先生が酷いと文句ぐらい言いたくなるってもんですよ!
「まぁ先生にも色々事情があるんじゃない? 知らないけど」
広葉がいつもより優しいな‥‥。
美人教師だからか!
「まぁなってしまったものは仕方ないか。 それはそうとして奈留、ここの問題教えて」
「えっと、ここはねぇ‥‥」
兄さんが高校の宿題?を開いて、私に聞いてきた。
あ~私もここ前世で苦手だったから理解するまで時間かかったなぁ。
「何か普通ならおかしい光景も慣れてくるもんだね。 てか陸プライドとかないね」
「はっ、俺がプライドがもてるのは奈留のことを楽しませることだけだ。 それに勉強は奈留ができる! 俺には必要ない」
うんうん、いつも面白くて大好きだよ兄さん。
それはそれとして勉強は頑張って欲しいなぁ。
テストではいい点数だから、特になにも言えないけど‥‥。
別に教えるのも、自分も理解できるし楽しいんだけどね‥‥。
やっばり逆だと思うんだよねぇ。
「陸はこう言ってるけど、いいの奈留ちゃん?」
「頼ってくれるのはとてもうれしいです。 まぁ若干、逆な気がしますが‥‥。 でも兄さんが嬉しいなら私も嬉しいですから」
そう、兄の幸せは、私の幸せ。
やっぱり元でも自分には優しくしたくなるってもんですよ。
「いい子だなぁ奈留ちゃんは。 じゃあ俺の宿題もやってくれると嬉しいなぁ?」
「自分でやらないと、将来が大変なことになりますよ」
やっぱり勉強出来ないと、将来心配だからね。
「陸と俺の扱い違いすぎない!? 教えるだけでいいから!」
「まぁそれならいいですけど。 私は将来、兄さんを養うことはあっても、森田さんの将来の責任をとるつもりはありませんからね」
「ホントに扱い違うね。 あと、なんでこんな将来の話になったんだろう‥‥」
広葉はやればできるんだから、もっとやってほしい。
勉強できなくて、もし就職出来なかったら、宿題をやった私が意味もなく責任を感じてしまうではないか。
「奈留、俺は別にニートになるつもりはないぞ。 俺は奈留に本当に迷惑になることはしたくないからな」
「わかってるよ兄さん。 例えだよ例え。 兄さんが頑張ってるの私知ってるから」
そうじゃないとあんなにいい点数はとれないもんね。
「奈留‥‥」
「兄さん‥‥」
私達は見つめ合い、そっと手に触れ‥‥。
「そういうの要らないから! もう冗談もほどほどにして、そろそろ遊ぼうよ」
あはは、初めは広葉を驚かせるためにやってたんだけど、最近はあまり効果がないね。
というか、また遊ぶのか!
「この前遊んだだろうが。 でもまぁこの前のゲームで、まだ勝ててないしな。 フッ、広葉勝負だ!」
「おう!」
あーもう兄さんまで‥‥。
結局こうなっちゃうのか。
この二人は先生以前の問題だね‥‥。
まぁ見たところ兄さんは宿題終わったみたいだし、広葉は‥‥まぁ何とかなるだろ!
「てか奈留ちゃん晩御飯は?」
「「今日も食べる気かよ!?」」