195 海は楽しみだけど!
水着を買い終えた私達は、早速海で遊ぶために、水着に着替えることにした。
はぁ、妥協してもらうことで、ビキニを回避しようと思ったのだが‥‥うん、はじめとあんまり変わってない!
色は少し控えめになったかもしれないが‥‥。
でも、私が言ったのは色じゃないんだよね!
それと着替えた後も出来るだけ他の人を見ないようにしないと。
見ないように‥‥。
「奈留ちゃん、似合ってるっすね~」
‥‥見るしかないね。
「由南ちゃんが選んでくれたからね。 でもちょっと恥ずかしいかな‥‥。 蕾ちゃんはワンピースタイプの水着なんだ‥‥。 可愛いね!」
でも、私にマイクロビキニを持ってきた人なのに、持ってきたものと真逆ってどういうことなんだろう。
「ほんとっすか! じゃあやっぱり、身の丈にあったものを選んでよかったってことっすね。 もう少し大人になったら、きっとビキニを着こなせるような、魅惑のボディになってるはずっす~♪」
蕾ちゃん、それ成長しないフラグ‥‥‥‥って言いたいところだけど、花さんを見てるから、違うとは言えないんだよねぇ。
今の蕾ちゃんが花さんのようになるとはまるで想像できないけど‥‥。
でも、今の蕾ちゃんでも別に何を着ても似合いそうな気はするけどね。
「あはは‥‥数年後にきっとなってるね。 その時もまた一緒に海にこれたらいいなぁ」
「絶対に行くっすよ! これは成長が楽しみっすね」
成長‥‥か‥‥。
前世では高校生までしか生きられなかったのもあり、その場その場を全力で生きてきたつもりだけど、未来のことを気にすることはあまりなかった。
これからの未来、高校生から先の未来で私が生きているのか、わからないし‥‥いや、少しネガティブになりすぎかな。
しかし、不安になるくらい前世の急な死が衝撃的だったというわけでもあって、慎重にもなる‥‥。
でも、そんな楽しそうな未来なら、すぐにでもきてほしいかな。
「うん、楽しみだね」
想像して、私は頬がゆるむ。
不安なことも多いけど、ワクワクするというのが正直な私の気持ちだしね。
「何が楽しみなの?」
由南ちゃんも水着に着替え終えたようだ。
「成長したら、また皆で海に行こうって話してたんっすよ」
「別に成長しなくても夏になれば行けばいいじゃない」
「それもそうだね。 ‥‥あ、由南ちゃんの水着も可愛いね」
「奈留も似合ってる。 うん、見立て通り♪」
由南ちゃんは誇らしげな顔をしていた。
でも、結構恥ずかしいですけども‥‥。
まぁ、由南ちゃんが選んでくれているから変じゃないけどね。
「でも、これでビーチで遊ぶのはハードルが高い‥‥」
「遊ぶために買いにきたんでしょうが‥‥それにビーチには私たちしかいないわけだし」
「そうなんだけどね」
「ほら、行くわよ」
由南ちゃんに手を掴まれ、ビーチに連行される私。
「うわっ、引っ張らないでぇ~!」
出来れば、自分のタイミングで行きた‥‥‥‥もう! こうなったら全力で遊んでやるー!