193 二日目は‥‥
百合の間に行くと、広葉が扉を開けてくれた。
「おはよう。 陸は、まだ寝てるけど入っていいよ。 昨日遅くまで起きてたから揺すっても起きなくてさ」
「はぁ、やっぱり兄さんまだ寝てましたか。 兄さん、起きないからなぁ」
自分から起きてくるのとか稀だし、広葉と夜更かししていたのなら余計に起きないだろう。
旅行だからといって、兄さんは変わらないんだね‥‥。
「奈留ちゃんって毎日大変なんだね‥‥」
「まぁ、予定がないと起きようともしない人ですから。 私が起こしますよ」
兄さん、寝相はいいから、蹴られたりする心配はないけど、起きなさすぎて本当に兄さん寝てるだけなのかな? と心配するほどなんだよな‥‥。
「兄さん、朝ですよ。 起きてください」
「奈留ちゃん、そんなに優しく起こしても陸起きないんじゃ‥‥」
ま、まぁそうなんだけど、一瞬起きそうな気配があったんだよな‥‥。
毎日起こしてるから、何となくわかるってだけで、根拠はないんだけどね。
「スゥ‥‥‥‥ん? 奈留か? 朝食は‥‥って今旅行中だったな」
「起きた─────!?」
あ、やっぱり今、眠りが浅かったみたいだ。
「何だ? うるさいぞ広葉」
「俺が何度やっても起きなかったのに‥‥。 奈留ちゃんスゲー‥‥」
いや別に凄いことはないと思うんだけど‥‥まぁ、褒められるの嬉しいから、いっか!
◇◆◇◆◇◆
「今日は何をするんですか?」
七人全員集まった後、私は広葉に予定を聞いた。
この場所のこと一番知ってるだろうしね。
「今日は──「海で遊びません?」え、海?」
突然、広葉の話を被せたのは由南ちゃん。
由南ちゃん、海で遊びたそうだったもんね。
「まぁ、せっかく海の近くだし、遊びたいよね」
「楽しそうっすね。 でも私、水着持ってきてないっすよ?」
海が近くだなんて、聞いてなかったし、しょうがないよね。
「それについては大丈夫、ちゃんと水着売ってるから」
あ、やっぱり水着売ってるんだ‥‥‥‥。
ってことは水着買わないといけなくなるな‥‥。
「でも、森田さん予定を決めてたんじゃ?」
「いや、何がしたいか聞こうとしてただけだから、大丈夫だよ。 じゃあ皆は海ってことでいいの?」
「私は賛成。 海なんていつ以来だろう、楽しみだなぁ。 あ、私も水着買わないと!」
祈実さんの水着が見れるなんて、幸せだなぁ。
どんな水着でも絶対に似合うだろうし!
「僕も楽しそうだし、それでいいよ」
信くんとも、海で遊べたらいいなぁ。
「じゃあまずは水着買いにいくか?」
「そうだね。 行きますか」
私達は水着を買いにいくために、部屋を出た。