190 信頼できる‥‥‥‥
「じゃあ、私達は友達解消とかはしなくていいんだよね?」
「僕別に怒ってないからね、逆にあの反応は当然というか‥‥初めの奈留さんのぐいぐい来る方が普通じゃなかったというかさ。 それに僕も悪かったから」
「よ、よかった‥‥嫌われたんじゃないかって心配で」
「奈留さんは変なところで心配性だね」
そうだろうか? これが当たり前だと思ってるから、変だとは思わないんだけど‥‥。
「そうかな? でも、友達は大切でしょ? 一緒にいると楽しいし、沢山いるともっと楽しいだろうけど、一度仲良くなったら、嫌われたくはないものでしょ」
「それは‥‥そうだね。 嫌われたくはないよね」
一瞬、信くんは、暗い表情になった。
「信くんは友達は大切じゃない?」
「ううん、大切だよ。 でも、奈留さんみたいに沢山ほしいとはならないかな。 信頼できる人が一人でもいたらそれでいいかな」
「そうなんだ‥‥」
私も信頼できる友達が、沢山ほしいだけだけどね。
そういえば、信くんが転校してきて少しあと、信くんと祈実さんが家に来たときに、祈実さんが回りに壁を作ってるっていってたことがあったけど、もしかしたら、前世で何かあったのかも?
いや、信くんは優しいし、そんなことはないだろう。
信くんはクラスでも男の子達と話しているし、姉の祈実さんも人気者だし。
そう思ったら、人に好かれる遺伝子をもっていらっしゃるのか思うほど、二人とも好かれてるな‥‥。
「じゃあ私は信頼できる?」
「‥‥奈留さんは信頼できるし、好きだよ」
「えぇ!?」
「大切な友達だからね。 前世のことも知ってるし、転校してきてすぐの時もだし、本当に信頼できる友達だよ」
あ、そういう‥‥いきなり告白されたのかと‥‥。
いや、そもそも信くんが私に告白とかあり得ないから、勘違いはするなよ私!
でも、信頼できる友達って言ってくれて何だか嬉しいな♪
「あ、ありがとう信くん」
「じゃあそろそろ部屋に戻ろうか。 お休み、奈留さん」
「うん、お休みなさい」
そう言って、長いようで短かった信くんとの二人での時間が終わった。
◇◆◇◆◇◆
「奈留ちゃん‥‥すぴー‥‥にゃむにゃむ」
そういえば、この二人がいて眠れなかったから温泉に入ったってすっかり忘れてた!
でも、もう寝ないと‥‥明日もいっぱい遊びたいし!
私は端に寝ることも考えたが、起きたときに何て言われるかわからないので、同じように真ん中で寝ることにした。
「おやすみ‥‥‥‥ふぇ!?」
横になった途端に蕾ちゃんが私の胸を触ってきた。
「奈留ちゃん‥‥ふわふわ‥‥」
「もう、蕾ちゃん、ダメだって‥‥ん?」
私は蕾ちゃんの手を下に置いたと同時に疑問が浮かんだ。
あれ? 信くんに、触られたときはあんなに恥ずかしくてドキドキしたのに、蕾ちゃんに触られても特に驚いただけだ‥‥。
‥‥私、信くんのこと思った以上に異性として意識してるって事なのかな‥‥‥‥いや、たぶん普通に恥ずかしかっただけだろうな。
それに蕾ちゃんはよく、スキンシップをしてくるから慣れてるし、そのせいだろう。
まぁいいや、明日も早いし、寝よっと!
こうして、旅行一日目は終わった。




